〈令和2年2月の需給展望 鶏肉〉1月中旬以降に弱含む、暖冬で鍋物需要は望み薄

〈生産は引き続き潤沢、凍結物消化が輸入品にも影響か〉
2020年1月の鶏肉需給は、年明けから「成人の日」を含む3連休までは補充買いなど一定の需要に支えられた。

供給量は潤沢な生産体制だったことで、補充買い後は直ちに弱含むと見られたが、中旬まではもちあい相場となった。後半にかけてはさすがに弱含んだ。

1月は一時的に本格的な冬の寒さを感じさせる日も散見されたが、依然として暖冬の影響は大きく、葉物野菜は価格が下落したにもかかわらず、鶏肉を含む鍋物需要は盛り上がりに欠けた。そのため1月の月間平均相場は、日経加重でモモが621円(前年648円)、ムネが262円(271円)にとどまり、モモ・ムネともに昨年を下回り、とくにモモは30円近く下回った。2月も暖冬が続くと予測され、引続き鍋物への期待はできない状況。

また、うるう年の関係で稼働日が例年より多いため、生産量は引き続き潤沢と見られる。需要を盛り上げる材料が乏しいのが現状だが、3月には調味料メーカーのテレビCMが予定されており、年度末であることもあり、業界挙げての販促による消費拡大を期待したい。

[供給見通し]
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、2月の生体処理羽数は前年同月比7.0%増と予想している。さらに生体処理重量は7.3%増と羽数・重量ともに前年を大きく上回る見通しだ。

とくに北海道・東北地区はそれぞれ7.2%増・5.8%増、南九州地区(宮崎、鹿児島、沖縄)でも、8.0%増・8.3%増と南北の主要産地での生産増が引き続き見込まれている。その他の産地でも昨対減の地域は見られず、処理羽数の伸長以上に処理体重の伸長が高い傾向にあり、増体が順調に進むと見られる。

農畜産業振興機構の鶏肉需要予測(1月29日公表)によると、2月の国内生産量は13.1万tで前年同月比1.1%増、輸入量は4.6万tで11.7%増。

1月の輸入量は、国内相場が低水準の状況が続くなか、輸入業者により一定数量の手当てが行われていることなどから、前年同月並となったが、2月は、ブラジルからの輸入量が増加するため、前年同月を大きく上回ると見られる。3カ月平均(12月~2月)では1.4%増と前年をわずかに上回ると予測される。

輸入品は2月だけを見れば、輸入量は大幅増だが、3カ月平均で微増に留まっている。現地ブラジルの生産状況は、家畜疾病などの大きな問題もなく順調で、国内需要も堅調なため、日本向け輸出を無理にでも増やそうとする動きは見られていない。そのため、今後も単月では多少の増減は考えられるが、3カ月平均や中長期では前年実績を踏襲していくと見られる。

[需要見通し]
モモ需要は1月中旬までそれなりに強かったが、その後は弱含んだ。数字上は2月に入っても踏ん張っているようだ。需要自体も底堅く、需要が前年同水準を下回るとは考え難いが、供給量が潤沢な中でどこまで販売量を伸ばせるかが注目される。また昨夏以降、供給体制が順調だったため、各社一定数の凍結物を抱えており、年度末に向けて在庫消化も進めている。

そのため、需要を上回る供給体制が続く。輸入量も大きくは変わらないため、需要は昨年同様と言いたいが、一部で「中小・零細ではコストを優先して、国産の投げ売りにより、国産品に切り替えている」との声も聞かれ、2月以降、この動きはさらに加速する可能性もあり、輸入品においては、供給量(輸入量)が需要を上回っているかの見極めが必要か。

[価格見通し]
4日の日経加重平均はモモで612円、ムネは262円となっており、モモは1月平均価格を下回っているが、1月31日の605円から持ち直している。一方でムネは日々の上げ下げはあるが横ばいで推移している。今後の需要は昨年並とみられるが、潤沢な生産量が影響するため、月間平均ではモモが605円前後、ムネは260円前後、農水省市況ではモモが625円前後、ムネが280円前後と見込まれる。

〈畜産日報 2020年2月10日付〉