〈出荷動向によっては400円を割る厳しい展開も〉
2月の東京市場の平均相場は、上物税抜きで402円(税込み434円)と2019年同月比で51円安と大幅に下げ、厳しい相場展開となった。2月は祝日や振替休日で稼働日が1日少ない週が2回あったものの、暖冬で成育状態も良く、早出し傾向となったことで予想を上回る頭数が出荷され、相場は上げきれなかったようだ。

中身をみると、1週目は435円まで持ち直したが、その後はジリ下げとなり400円前後で推移。最終週には373円を付けるなど、厳しい展開が続いた。3月は例年、これといった需要を押し上げるイベントはなく、春休みで学校給食も止まるなど、プラス要因は少ない。さらに、新型肺炎による外食需要の減退など、豚肉の需要にも影響が出始めている。一方で、家庭内消費の意識の高まりから、量販店での豚肉の動きは活発化している。

しかし、市場では銘柄豚などホテルやレストラン向けに手当てされるものも多く、枝肉相場を押し上げる要因とまではならなさそうだ。量販店での好調もいつまで続くか、不確定要素も強いことから、3月も厳しい相場展開が予想される。

〈供給見通し〉
農水省が2月5日に発表した肉豚生産出荷予測によると、3月の肉豚出荷頭数は前年比4%増の138.7万頭と予測している。2月の早出しの反動がどの程度影響してくるかにもよるが、3月も九州など主産地では育ちが良く、順調な出荷が予測される。

農畜産業振興機構によると、3月のチルド豚肉の輸入量は前年同月比2.1%減の3万3,400tと予想されている。一部通関遅れなどが生じているものの、3万t台の安定した供給が続くものとみられる。

〈需要見通し〉
2月は輸入品の通関遅れによる影響で、バラやカタロースなど国産へシフトする動きもみられ、荷動きは堅調だった。一方で、新型肺炎によって外食を控える動きが目立ち、外食業態にとっては大きなダメージとなっている。3月は新生活に向けて出費がかさむ時期でもあり、消費者の節約志向は一段と高まりそうだ。春休みで学校給食が止まる時期でもあるが、今週から一斉休校が実施されたことで、例年よりも早くスソ物などへの引き合いが弱まっている。

一方で、家庭内消費の意識の高まりから、量販店での豚肉の動きは比較的良く、ロース、バラ、カタロースなどは上手く回っているようだ。凍結品は外食の減退で動きは鈍く、在庫も多いことから、3月は決算期となる企業も多いが、ある程度、在庫を抱えざるを得ない状況になりそうだ。

〈価格見通し〉
需要動向は決して悪くはないものの、出荷頭数が多いこと、輸入品も安定的に供給される状況からみると、3月も相場の上げ要因は乏しい。とくに新型肺炎は、いまだ収束が見えず、今後どのように豚肉需給に影響を及ぼすか不透明感が強い。出荷動向によっては、早出しの反動で出荷の谷が出てくれば、中旬にかけて持ち直し、上物税抜き420~430円で推移すると考えられる。

その半面、出荷が潤沢だった場合、400円を割る展開もありそうだ。最終週にかけては各社、決算期であることから、弱含むことが考えられる。これらを勘案すると、月平均では上物税抜き420円(税込み450円)前後と予想する。 

〈畜産日報2020年3月5日付〉