〈製造業・外食・卸売市場・輸出関係の対応方向示す、市場は輸配送の確保も課題〉
自民党は3月18日、食料産業政策委員会、農産物輸出促進対策委員会、日本産酒類振興PT合同会議を開催し、新型コロナウイルス感染症に係る影響とその対応(食品製造業・外食産業・卸売市場・輸出関係)について審議した。

農水省が各分野における課題と対応方向を説明した後、日本惣菜協会、外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)、Zen Foods、酒類業中央団体連絡協議会などが対応を要望した。

自民党では、“大胆で即効性があり前例のない経済対策案”を26日までに取りまとめる予定で、今後の決議を藤井比早之食料産業政策員会事務局長、林芳正食料産業政策委員長・日本産酒類振興PT委員長、福田達夫農産物輸出促進対策委員長、塩谷立農林・食料戦略調査会長、野村哲郎農林部会長に一任した。

農水省食料産業局が、新型コロナウイルス感染症に係る影響とその対応について分野ごとに説明した。各分野において、事業活動縮小などに対しては、雇用調整助成金の特例措置を拡大し、資金繰り支援として実質無利子・無担保融資、中堅・大企業向け危機対応融資を発動する。

食品製造業では、一部で海外産の加工用原料を国産に切り替えに伴う調達コスト増加が見られ、学校給食停止に伴い、パン、米飯、麺加工業者の収入が減少しているとした。マスクや消毒用アルコールの供給も遅延している。観光客減少に伴い、土産菓子の売上げも減少している。中国からの実習生の受け入れ目途が立たないため、経営への影響も懸念されるという。

対応方向としては、パン、米飯、麺などの学校給食事業者に対し、違約金などの経費を支援し、再開に向けた衛生管理の徹底・改善を図る取り組みを支援する。政府としてマスクメーカーに増産のための設備投資も支援する。技能実習生に関しては、政府として、就労期間延長などに係る事業者への周知を徹底する。

外食産業では、学校給食での3月分の委託事業者に対する支払いや、団体予約のキャンセルが目立ち、ハレの日需要も減少している。インバウンドの多い店舗では3~5割の売上減。ビュッフェスタイル店舗では、営業自粛やスタイルを変更するなどの対応。

対応方向としては、学校給食については、文科省において地方自治体などの学校設置者の負担となる学校給食費に相当する費用を支援する。

卸売市場では、外食向けは売上減少も、量販店向けの商品は堅調に推移。今後は外食、給食などの需要が減少すれば、経営への影響が生じる恐れがある。とくに和牛などの高級食材の販売不振が課題となっている。また代替要員が確保できない感染拡大時にあっても、実需者への輸配送を確保する必要がある。

対応方向としては、新たな販路開拓などに資する卸売市場の施設整備を推進し、着実な輸配送を確保するため、省力化・自動化の取り組みも推進する。

輸出に関しては、事業継続のための金融支援を推進する。また、コロナの影響によるマーケット実態を踏まえ、伸びている分野への輸出拡大策、仕向先国の転換のための商談、プロモーションなどの新たな販路開拓も促進する。その上で、海外需要が回復した際に、シェアを維持拡大するための取り組み、コロナを契機に拡大する取り組み、インフラ整備を推進する。

各団体からの要望では、
▽業務用マスク及び消毒液の優先的供給
▽技能実習生の期間終了後の滞在期間の延長(現行30日間を可能であれば120日間に)
▽ウイルスが食品を経由して感染しないこと、新型コロナの日本の対策が着々と進んでいることの国内外へのアピール
▽融資支援制度の拡充・円滑化
▽輸出支援
▽風評被害対策
▽短時間労働者に対する社会保険(厚生年金・健康保険)の適用拡大時期を遅らせること
――などが要望された。

会議に出席した議員らは
▽セーフティーネットの対応業種を早急に拡大してほしい
▽輸出は2030年・5兆円が目標となるが、商流を築くのは大変であり、致命的なダメージになりかねない
▽輸出減少により国産消費対策を考える必要がある
▽危機を契機に輸入に取られた市場を取り戻すチャンスになるのでは
▽実習生の試験が開催できていないが、一旦合格とみなした運用もできるのではないか
▽学校給食では民間業者においても保証をし、休校中でも給食を作り希望者に時間差で提供することはできる
――などの声が挙がった。

農水省は対応業種の拡大について早急に進めるとし、輸出に関しては商流が重要だとし、現状で可能な対策を講じるとした。学校給食については、文科省と連携して支援を行い、未利用食材はマッチングサイトなどで支援を行うとした。

〈畜産日報2020年3月19日付〉