政府(原子力災害対策本部)は3月23日、食品中の放射性物質を検査するためのガイドライン「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」を改定した、と発表した。

牛肉は、岩手、宮城、福島、栃木の4県について「農家ごとに3カ月に1回程度」または「適切な飼養管理が行われていることを確認した農家については、12カ月に1回程度」のモニタリング検査(全戸検査)の義務を維持しつつも、「過去3年間で基準値の1/2を超える放射性セシウムが検出されない」ことなどを条件に「検査を必要としない」と規定、リスクに応じた抽出検査に移行する形をとる。

基準値を超える検査結果がほとんどみられないことから、事実上、検査対象となる牛はほとんどいなくなる。ただ、東京電力福島第一原子力発電所が所在する福島県は汚染リスクにかかわりなく全戸検査を基本とし、特にリスクの高いことが考えられる廃用牛は全頭検査を実施する方向で検討を進めている。

全頭を対象に自主検査を行っていた、群馬、茨城など33県は今回の新ガイドラインを機に、検査を全廃する方向で足並みをそろえるもよう。新ガイドラインに基づき、都道府県は出荷検査方針を策定、4月1日から運用されることになる。

モニタリング4県については、過去3年間の基準値をクリアしていることに加え、「飼料の流通・利用の自粛対象外であるほ場で生産された飼料又は輸入飼料のみが給与され、かつ、自粛対象のほ場で生産された飼料の誤用防止措置が取られていることを都道府県が確認」できる、という条件を満たす場合、その牛が検査対象から外されることになる。

大半の牛がこの条件に当てはまることから、検査対象となる牛の頭数はかなり絞り込まれることになる。ただ、実際の検査計画は自治体の判断に任されており、福島県は、一部全頭検査を残す形で全戸検査を基本に計画を組む方針だ。

〈畜産日報2020年3月24日付〉