スターゼン、ミートプロセッサー石狩工場に除骨ロボット「ワンダス」導入、国内3例目

スターゼン、ミートプロセッサー石狩工場に「ワンダス」導入
〈人手不足と作業軽減に、食肉加工工場の機械化・省人化を推進、衛生環境も安定〉
スターゼンは7月30日、豚肩甲骨・上腕骨除骨ロボット「ワンダスミニ マークⅡ」(前川製作所製造、以下ワンダス)を子会社のスターゼンミートプロセッサー石狩工場に導入し7月27日から本格稼働したと発表した。ワンダスの導入は、国内3例目となる。

食肉の処理・加工工場では、近年の人口減少や地方の過疎化によって将来的な人手不足が懸念されており、同社が安全・安心な食肉を安定的に供給していくためにも省人化や働き方改革の推進が課題となっている。ワンダスは作業負荷の大きかった上腕骨と肩甲骨・肩甲軟骨の除骨を行うロボット。ワンダス導入によって従業員の負担が大きく軽減され、働き易さが向上するとともに、省人化を実現した。

このような豚肉の除骨ロボットは欧州の食肉加工工場では普及が進みつつあるが、日本の食肉加工の現場では繊細なカット技術が要求されるため、機械化は難しいとされていた。同社では前川製作所と共同で日本向け食肉加工技術の機械化を研究し、実用化に成功した。

スターゼングループではこれまでも三沢ポークセンターに、豚もも部位自動除骨ロボット「ハムダス-RX」とワンダスを、それぞれ国内で初めて導入した実績があり、グループの他工場への展開を進めている。今後も他部位の除骨作業の機械化を検討しているほか、部位毎に包装し段ボールに箱詰した商品を冷蔵庫に自動で入庫・出庫をする自動搬送冷蔵庫も順次導入し、食肉の処理・加工工場の機械化・省人化に取り組んでいく。

今回、スターゼンミートプロセッサー石狩工場(北海道岩見沢市)に豚肩甲骨・上腕骨除骨ロボット ワンダスミニ マークⅡを左右別、各一機ずつ導入したもの。ワンダスは、豚うで部位のうち、人手による除骨作業で負荷の大きい上腕骨と肩甲骨・肩甲軟骨の除骨を行う(前処理として前腕骨・頸椎、胸椎は人手にて除骨)。投入された豚うで部位の全長計測を行い、肩甲軟骨の割れに繋がる過度な負荷を与えない。人手で除骨する際と同様に、肩甲骨を掴みねじり取るように回転を加えることで、薄く欠けやすい肩甲軟骨を肩甲骨と合わせて除骨する。肉を吊り下げた状態で除骨するため接触面積も小さく衛生的。また、一定時間ごとに肉と一番接する丸刃カッターをアルコール噴霧し、衛生管理を徹底している。

ワンダス導入により、
〈1〉豚うで部位 除骨ライン1人分の省人化が図れた(7人→6人)
〈2〉除骨作業の中で特に労力を要す肩甲骨の除骨自動化により、女性でも作業が可能となった
〈3〉まな板を使わず除骨でき、アルコール噴霧も定期的に行われるため、衛生環境が安定した
――などの効果があがっている。

〈畜産日報2020年7月31日付〉