〈令和4年1月の需給展望 鶏肉〉国産生鮮モモは鍋需要で堅調予測、ムネはジリ下げ展開

〈輸入品は需給バランスから軟調へ、コロナ再拡大懸念〉
2021年12月の鶏肉需給は、需要期としての盛り上がりを見せたが、好調な国産生鮮生産の一方で、コロナ禍2年目のクリスマス・年末は前年に比べ、新型コロナウイルス感染がやや抑えられたこともあり、和牛や国産豚肉など消費先が細分化した。

そのため、一昔前のようにクリスマスが鶏肉だけにとって特別なイベントとはなっていないようだ。今シーズンも高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が相次ぐが、鶏肉供給への影響は見られず、夏場の暑さが厳しくなかったこともあり、生産が好調に推移した。そのため、年末需要向けに仕込んでいた国産凍結品の出番が限定的となり、むしろ凍結玉を積み増したとの話も聞かれる。それでも12月最終週には、国産生鮮モモに引き合いが集中したようだ。

一方で輸入品の動きは昨秋から、外食需要が回復傾向にあったが、再拡大を恐れてか本格的な需要回復に至らず盛り上がりに欠けた。輸入量はタイ産などで懸念があったが、全体では一定量を確保しており、ひっ迫は見られなかった。クリスマス向けの骨付きレッグも、以前のような盛り上がりを見せず、一部顧客からの安定需要に留まったようだ。

12月の平均相場は、日経加重平均でモモが642円(前月620円)、ムネが340円(333円)と正肉合計982円、前月比29円高となった。しかし昨対比ではモモが46円安、ムネが28円高となり、正肉合計では18円安となった。昨年は正肉合計1,000円相場を記録していた。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、2022年1月の生体処理羽数は前年同期比4.7%増、処理重量も3.9%増とともに大きく伸長すると見込んでいる。2月も微増を予測している。

地域別では、北海道・東北の処理羽数は1.6%増、重量は0.9%増とともに増加を見込む。南九州でも羽数が4.6%増、重量も3.6%増と高い増加を見込んでいる。主要産地以外でも軒並み昨対増見通しで、とくに近畿・中国・四国では羽数が15.9%増、重量14.3%増と2桁増を見込んでいる。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、1月の国産生産量は13.8万tと前年同月比3.6%増を見込む。前月比では2万t減少するものの昨対比での増加基調を維持する。そのため昨年11月~1月の3カ月平均予測でも3.6%増の14.8万tと高い水準となっている。生産基盤が整備され、毎年生産性が向上していることが伺える。

輸入品は前月(昨年12月)まで、国内の輸入品在庫水準が漸減する中で、タイ産の減産・ブラジル産の増加により前年を2~3割上回る輸入量だったが、1月は前年並の4.9万t(0.3%増)を見込み、5万tを下回る予測だ。今後は国内在庫の漸減脱却もあり、需給バランスを勘案した落ち着いた輸入量が見込まれる。

〈需要見通し〉
年末に国産生鮮モモ需要が強まったものの、年明け需要は一服感が見られ盛り上がりに欠けている。それでも「成人の日」明けには、産地の休みも重なり補充の動きが見られる。今後も寒さが続く中で、モモ中心の需要が期待される。一方で、輸入品回復の影響もあり、国産ムネは需要減が見込まれる。急減ではないにせよ、価格優位性の高い輸入品に徐々にシフトすることで、ムネはジリ下げか。輸入品は、輸入量が安定見通しではあるが、需要回復とのバランスから弱含むと思われる。

〈価格見通し〉
国産生鮮モモは鍋物需要など堅調な量販店需要に支えられるが、ムネはジリ下げの展開を予測する。日経加重平均では月間でモモが650円前後、ムネは325円前後と見込まれる。農水省市況ではモモが655円前後、ムネは335円前後前後と予測する。

〈畜産日報2022年1月12日付〉