コロナ禍において3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィーク(GW)を迎え、観光や帰省など人出の増加がみられた。

連休中の豚肉の荷動きは、一昨年の緊急事態宣言下における急激な巣ごもり需要のような動きはなかったものの、外食店や地方量販店などを中心に好調だったようだ。相場動向みると、4月の東京市場の豚枝肉相場は上物税抜き475円(税込み513円)と前年同月比19円高となった。

輸入品の供給不安なども相まって、4月に入ってから400円台半ばから後半と底堅く推移していた豚価は、GWの手当て買いがはじまる最終週の25日以降には500円を上回る展開となった。ことしのGWは飛び石だったことで、2日のセリでは同535円(税込み578円)を付け、6日は連休明けの補充買いに加え、全国のと畜頭数が少なかったこともあり、同619円(税込み669円)まで急騰した。

5月上旬は連休明けの在庫補充で相場は上げ基調になるとして、その後は落ち着きをみせると予想される。しかし、下旬にかけては不安定さが続く輸入チルドポークとの兼ね合いや、季節的な出荷頭数の減少などを勘案すると相場の下げ要因は少なく、ある程度高値を維持するものとみられる。このため、5月の東京市場の豚枝肉相場は上物税抜きで500円絡みと予想する。

〈供給動向〉
農水省が4月19日に公表した肉豚生産出荷予測によると、5月の全国の出荷頭数は132.9万頭と前年同月比で2%増加すると予測。1日当たりでは、7万頭前後(19日稼働)となる見通しだ。前年の水準は上回るとみられるが、例年、夏場にかけて出荷頭数が落ち込んでくる時期となることに加え、最近では茨城や群馬での豚熱(CSF)発生、岩手での陽性野生イノシシの発見などがみられ、今後の出荷への影響が懸念されるところ。

農畜産業振興機構の需給予測によると、5月のチルド輸入は同5.8%減の3万2,500tと予測している。為替が円安に振れていることによる現地価格の高騰などで、日本サイドは調達を抑えざるを得ない状況が続き、前年を下回るボリュームとなりそうだ。さらに慢性的な入船遅れによって、引続き不安定な供給状況が予想される。

〈需要見通し〉
ことしの5月は久しぶりに行動制限のないGWとなり、前半戦こそ天候不順に見舞われたものの、観光地など賑わいをみせた。連休期間中は飲食店を含め、地方の量販店を中心に豚肉の売れ行きは好調だったようだ。連休明け以降は通常、消費者の節約志向からスソ物など比較的安価な部位の需要が強まる傾向となる。

また、気温の上昇に伴って、カタロースの動きも活発化している。そうした半面、昨今は食料品の値上げが相次ぎ、ウクライナ危機などの経済不安と相まって消費者の財布の紐はより一層堅くなることが予想される。ただ、日常使いされる豚肉において、輸入チルドの供給が不安定な状況にあるなか、国産豚肉のニーズは底堅く推移するものとみられる。

〈価格見通し〉
連休が明け、関東3市場の相場が出そろった6日の全農建値は上物税抜き583円(税込み630円)となった。一方、6日から土日をはさんだ9日の相場は同606円(税込み654円)と、依然として在庫補充の動きから高値を付けている。

東京市場の9日の相場も同599円(税込み647円)だった。5月は前述の通り、消費者の節約志向から末端消費の不透明感は拭えないものの、輸入チルドの供給状況や出荷頭数の状況からみれば、相場の下げ要因は少ない。上旬は補充買いの動きからある程度高値で推移するものとみられ、その後は落ち着くとしても、大きな下げは考えにくい。このため、月間平均(東京市場)では上物税抜きで500円前後(税込み540円前後)と予想する。

〈畜産日報2022年5月10日付〉