〈季節問わず人気、夏向けメニューも広がる〉
寒い季節の定番チーズ料理「チーズフォンデュ」が、季節問わず楽しめるメニューとして広がりを見せている。外食では成城石井が自社運営のワインバー「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO(ルバーラ ヴァン サンカンドゥ アザブ トウキョウ)」全店で、「イタリア産マスカルポーネとリコッタの冷製チーズフォンデュ」の食べ放題を展開する(8月31日まで)など集客の目玉に使われ、家庭用でも電子レンジでチンするだけの手軽な商品の広がりで、通年商材になりつつある。
さっぱりとした夏向きフォンデュの食べ放題を展開(成城石井)

さっぱりとした夏向きフォンデュの食べ放題を展開(成城石井)

そもそもフォンデュの語源は、フランス語で「溶ける・溶かす」の意に由来し、チーズフォンデュとは、ヨーロッパ各国をまたぐアルプス山岳部の郷土料理で、チーズを溶かしてパンなどにつけて食べるもの。鍋文化がある日本ではスイスレストランのメニューとしてテレビなどで紹介されながら外食のメニューに定着、家庭用もヨーロッパの輸入品、国産品ともに広がり、チーズ料理の一つとして認知されるまでになっている。さらに、特別な器具を用意しなくても電子レンジでできる簡易的な商品の登場で、本来使用するワインを使わなくても楽しめるようになり、消費のすそ野、ユーザーの間口拡大につながっている。

ただ、加熱して溶かして食べる性格上、寒い時に食べる洋風鍋料理のイメージが強く、冬場型メニューになりがちだった一面も。これを変えたのが野菜との相性のよさの発信や、チーズが溶けて伸びるシズル感、SNS映えメニューとしての打ち出しで、外食店が先行して夏のチーズフォンデュを仕掛けた。

成城石井のバーだけでなく、外食大手のダイナックも6月末開店の新業態、イタリアンダイニング「レ・アミーケ」で「彩りチーズフォンデュ」を目玉メニューにしたり、カフェ・ダイニングを展開するエスエルディーも「CheeseTable」「CAFE&DINER」などの店舗で「冷たくても伸びるチーズフォンデュ」を7~8月限定メニューのメインにすえるなど、夏のフォンデュが盛り上がりを見せる。

「冷たくても伸びるチーズフォンデュ」(エスエルディー)

「冷たくても伸びるチーズフォンデュ」(エスエルディー)

家庭用は、宝幸が手がける日本ハム「シャウエッセン」用のレンジでチンするカップ入りチーズフォンデュが、2年目の今夏はパッケージを夏バージョンに切り替えてソーセージコーナーに登場、昨年売れた実績があるからこその展開と思われ、食べる機会・回数の広がり、奥行拡大が進んでいることが伺える。

「シャウエッセンにぴったり!! チーズフォンデュ」(日本ハム)

「シャウエッセンにぴったり!! チーズフォンデュ」(日本ハム)

「倉庫型店舗でスイスのチーズフォンデュが季節問わず売れている。チーズソース的な使い方をしている人もいると見られ、汎用性も好調理由の一つ」(専門商社)。今年はチーズフォンデュが、通年商材として市場に完全定着するか注目だ。

〈食品産業新聞 2018年7月19日付より、一部改稿〉