ベビーチーズや6Pチーズなどのように、国産品では一般的な個包装チーズ(1個ずつ包装されたチーズ)が、輸入チーズにも増え、関連業者には活用範囲を広げるチャンスが到来している。

ヒントはローソンの「Lチキバンズ」(製造=山崎製パン)。カウンターで販売するチキンの揚げ物「Lチキ」をはさむ専用バンズで、客が自分ではさんでバーガーを完成させる。バンズが税込72円、Lチキが180円で計252円、チルド売場の出来合いのハンバーガーが200円前後するのに対し、あまり変わらない価格で食べ応えがあり、チキンの衣もサクサクで美味しいとあれば売れる。ここにチーズもはさんでもらう提案はどうだろうか。

完成品を300円程度と仮定するとチーズは1ピースもしくは1枚50円ほどにおさめないといけないので、チャンスは国産プロセスチーズにある。さらに、客が完成させるこの“ピック&ミックス”(選んで混ぜる)の考え方をコンビニだけなく、スーパーのイートインスペースや、ショッピングモールのフードコート、さらにアルコールが置いてあるフードホールなどへ広げたら、チーズの価格の許容範囲も広がり、輸入の個包装チーズも選択肢の中に入りそうだ。

最大のポイントは個包装してあるということ。売り場やスタッフの作業をあまり煩雑にすることなく導入できると思われ、表示等の問題がクリアでき、価格的に受け入れられれば、個包装チーズの新たな販路にもつながる。先行して、生鮮品ではゆで卵が、コンビニで1個売りに成功している。ひとつの参考にできそうだ。

ローソン以外のコンビニでも、以前、冷凍バンズをカウンターで温め手渡しし、客が自分で作るバーガーの商品化が企画されたことがある。結果、商品化されなかったが、コンビニバーガーは競合企業との差別化商品に位置付けられている。また現在、各コンビニは、「コンビニアレンジ飯」といわれる、袋入り惣菜やサラダなど、商品の組み合わせで完成させるアレンジレシピと、組み合わせの買い方提案に取り組んでおり、“ピック&ミックス”の考え方をすでに取り入れている。

“ピック&ミックス”は、外食ではもっと進んでいる。丸亀製麺では、本来はうどんのトッピングである天ぷらを、ご飯にのせて自分でアレンジして作る天丼や、無料の天かすとねぎとだしで作るお茶漬けなど、客がピック&ミックスして楽しむ食べ方がすでに広がり、SNSでの投稿も話題となっている。

個包装チーズは、スライスチーズやベビーチーズ、6Pチーズ、カマンベールチーズ、クリームチーズ、さけるチーズ、シュレッドチーズ、キッズ用チーズ、そして輸入品もカマンベール、ブリーチーズ、ブルーチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ゴーダチーズなど多岐にわたる。“プラスワン食材”として広げられる市場環境はすでに整っており、切る手間がいらないだけでない個包装のメリット、特性を生かしたマーケティング次第で可能性は広がりそうだ。

〈食品産業新聞 2019年12月16日号〉