「明治プロビオヨーグルトR-1プレーン」登場、R-1初の大容量・プレーンで新規ユーザー獲得・間口拡大に挑む

パーソナルサイズの「明治プロビオヨーグルトR-1」と、大容量の新商品「明治プロビオヨーグルトR-1プレーン」
後期高齢者の急増が予測される“2025年問題”などに伴う食品市場縮小を見越し、食品企業が様々な施策を打つ中、明治が主力の「明治プロビオヨーグルトR-1」ブランドで、初の大容量・プレーン(甘みなし)商品、「明治プロビオヨーグルトR-1プレーン」を、3月10日に関東エリアで発売し、新規ユーザー獲得に挑む。

若年層を中心とした新規ユーザーの獲得は、食品ジャンル問わず各社の共通課題。容量違いや味違い、容器違いだけでは新規獲得は難しく、新ブランドでの挑戦も生き残りが厳しい中で難易度は高い。

ここに高機能をウリにするプロバイオティクスヨーグルト(機能性ヨーグルト)で、しかも機能のありがたみに影響しないか心配になりそうな大容量で挑戦するということは思い切った判断であり、初のプレーンタイプにしたことに大きな意味がありそうだ。

「R-1」は、伊藤園「お~いお茶」やアサヒビール「スーパードライ」など、名だたる食品メーカーのトップ商品と並ぶ立ち位置のブランドでありながら、「これらと比べると間口が狭い(購入経験率が低い)のが課題」(明治)であり、今回の挑戦は、同じような課題を抱える食品企業から大きな関心が集まっている。

「一見、ヘビーユーザー向けに見えるが、目的は間口拡大、宅配用語で『家庭内増本』。現在家庭内で『R-1』を飲んでいる人がいたとしたら、そこから派生して子供や親に食べてもらうのが、最も有効ではないかと考えた」(明治)。

プレーンにしたのは、家族で食べ分けるにはそのまま、あるいは果物やはちみつを入れるなど、個々の好みに合わせ味を変えられるのが理由。家族向けの「明治ブルガリアヨーグルト」プレーン400gは、ユーザーの6割以上が何かを足すなどアレンジして食べており、この調査結果がベースにある。

理由その2は、今まで甘いのが嫌いで「R-1」を購入していなかった層の取り込み。既存品に112g製品で「砂糖0」はあるが甘味料入りで甘さがあるため、原材料にこだわりがあり甘さが嫌いな人にとっては、興味はあっても買わなかったと想定される。健康意識が高い人が買う商品だからこそ、プレーンタイプは価値があり、今まで購入していなかった層の取り込みを果たせば間口はぐっと上がる。

大容量にしたのは、家族向け要素が強いため。ヘビーユーザー取り込みも視野に入れるが、新規ユーザーの獲得があくまでも優先だ。

これまで、他の食品ジャンルで、例えば栄養ドリンクでPETボトル入りの大容量を出し成功したケース、あるいは他のジャンルでは価値が下がって値崩れを起こしてしまったケースなど、さまざまある。一般的に大容量サイズはお買い得感をもたせているが、「R-1プレーン」はパーソナルサイズの「R-1」と比較し、容量が3倍の336g、メーカー希望小売価格も3倍の396円。

この3倍の価格の壁を、高機能ヨーグルトだから乗り越えられるのか、それとも新規ユーザー獲得には高価格すぎてしまうのか、消費者の反応に関心が集まるところで、狙い通り新規の購入者、食シーンの獲得となれば、食品業界に与える影響も大きい。

巷では新型コロナウイルスの感染予防対策で、乳酸菌入りの食品が注目される追い風も吹いている。まずは関東エリア限定となるが、発売以降の動向に注目だ。