「ナイスライス結(ゆい)・快(かい)」は、パン用酵母(イースト)のトップメーカーである同社が、初めて米飯関係で開発したおにぎり用の品質改良剤。

炒飯・ピラフおにぎりの保形性を向上させる「結」と、もち米(赤飯・おこわ)おにぎりのほぐれ性を向上させる「快」の2つを同時開発・発売し、複数の大手CVS・スーパーチェーンでの採用が続いている。アレルギー表示事項は「なし」。

「ナイスライス結」は、炒飯・ピラフ・ビビンバおにぎりなど、油が多いためごはん粒の結着性が弱くなり、パラバラに崩れてしまいがちになるのを防ぎ、保形性を高めるのが特長で、標準使用量は、おにぎり成形前に生米に対し1.0%~2.0%添加する。複数の加工デンプン、食品素材を原料にする。

「ナイスライス快」は、赤飯・おこわなど、米粒の潰れやすいもち米製品の米粒感を維持する品質向上剤。ライン製造の際にも、もち米が詰まることなく米粒感が維持できるのが特長。標準使用量は、一次蒸し後の打ち水時に生米に対し0.5%~2.0%添加する。増粘多糖類を原料にする。
オリエンタル酵母工業代表取締役社長 中川真佐志氏

オリエンタル酵母工業代表取締役社長 中川真佐志氏

〈赤飯・炒飯おにぎり「もっと美味しく」〉
パン酵母のオリエンタル酵母工業が何故、米飯用の製品を出すのかと言われそうですが、当社は「目に見えない」素材の開発に特長がある企業です。パン酵母もパン生地に対し2%程度の添加でしかなく、酵母に並ぶバイオ事業では、もっと「目に見えない」領域で事業を行っています。

「ナイスライス結・快」もその事業の一環で開発した製品と言えますが、実際には当社の開発担当者の「赤飯や炒飯のおにぎりを、もっと美味しく食べられるようにするにはどうすればよいのか」という発想から開発・製品化につながったものでした。

赤飯おにぎりは、時間が経つと硬くなり、炒飯おにぎりはポロポロと崩れてしまうのを「何とか改善できないか」という開発担当者の好みと思いが、開発の発端でした。

一方で、既に市場に出ている製品の欠点を直すという当社の開発思想に合致した研究・開発でもありました。

「ナイスライス結・快」は、発売以来、CVS向けのベンダー企業などから評価をいただき、徐々に採用が増えています。お客さまからは、製造時のロス削減効果などの評価をいただけるようになっています。

今回開発した技術を基に、その他の食品用として横展開も図っていけると思います。また、販路の拡大にも取り組んでいきます。

〈食品産業新聞2017年12月4日付より〉