明星食品の松尾社長が理事長に就任/日本即席食品工業協会

日本即席食品工業協会 松尾昭英理事長
〈副理事長は東洋水産の今村社長、任田専務は相談役、後任専務は吉井氏〉
(一社)日本即席食品工業協会、日本即席食品工業公正取引協議会、(一社)日本即席食品認定協会)の3団体は24日、定時総会を開いた。日本即席食品工業協会は改選期に当たり、理事・監事を選任。理事長に明星食品(株)の松尾昭英社長、副理事長に東洋水産(株)の今村将也社長、専務に吉井巧氏が就任した。16年間専務を務めた任田耕一氏は相談役に就く。

総会の冒頭、井田純一郎前理事長(総会開催時は理事長、サンヨー食品(株)社長)は、「即席麺業界は2015年度、2016年度に続き、2017年度の総需要が59.9億食と、3年連続で過去最高を更新した。会員企業の継続的な商品開発努力と、安心・安全への取り組みが評価されている。もちろん、安心・安全への取り組みに終わりはない。ご指摘を頂き、協会としても適正な動きをしていきたい」と挨拶した。

2018年度事業計画では、食育促進事業の△インスタントラーメン健康と栄養セミナー△インスタントラーメン小学生レシピコンクール△インスタントラーメンオリジナル料理コンテスト、等の事業を継続。調査普及事業、広報宣伝事業でも継続的に事業を行う。懇親会で挨拶した松尾新理事長は「今年は即席麺業界60周年の年。会員皆が赤いパッケージの商品を出すということはないと思うが(笑)、節目の年を迎えた。即席麺は年間の総需要が59.9億食というすごい食品に育った。しかし、目立つことの裏返しか、最近も週刊誌に色々と書かれた。協会としては食育の啓蒙を行い、風評にどう多角的に対応するかも大切だ。会員各社で商品開発、営業の場面では競争するが、食の安心・安全の面では一致団結していく。今は60周年を100周年につなげていく大事な時期といえる。また、WINA(世界ラーメン協会)にも安心・安全の水準を広げていかなければいけない。安心・安全に関わることがあれば、総需要は減ってしまう。インスタントラーメンは良いもの。それを啓蒙したい。60周年という節目の年に理事長を務めさせていただく。頑張っていきたい」とした。

乾杯の挨拶は製粉協会の近藤雅之会長(日本製粉(株)社長)が務めた。

【日本即席食品工業協会の理事・監事の変更】
△(一社)栄養改善普及会・五十嵐脩氏→同・辻啓介氏
△お茶の水女子大学・香西みどり教授→キッズキッチン協会・坂本廣子氏
△(公社)日本栄養士会・長谷川克己氏→同・迫和子氏
△事務局・任田耕一専務→同・吉井巧専務(任田耕一専務は相談役に就いた)。日本即席食品工業公正取引協議会の専務、日本即席食品認定協会の理事長は任田耕一氏から吉井巧氏に交替。

〈農水省・横島食品製造課長の挨拶〉
総会の来賓挨拶は農林水産省食料産業局の横島直彦食品製造課長が務めた。

「3点お話ししたい。1つ目は食品衛生法の改正案が参議院を通過して、衆議院の厚生労働委員会にかけられている。厚生労働委員会では働き方改革について審議していて、これが終われば審議される可能性がある。仮に今国会で成立すると、HACCPが基本的に義務化される。即席麺の業界では自主的に推進して頂き、既に手引き書を作ってもらっているが、これの見直しを進めてもらいたい。生麺、乾麺では手引き書が作られ、良いものができたと思う。これも参考にして手引き書を作成していただきたい。2つめは原料の安定調達について。TPPは参加国6か国が批准した60日後に発効される。現時点で発効がいつになるかは分からないが、発効すればそれを初年度として小麦のマークアップ削減が始まり、オーストラリア、カナダからの輸入に影響が出る。3つ目は表示について。消費者庁には食品表示に関する宿題が出ていて、この間も原料原産地表示や遺伝子組み換え食品について議論してきている。残っているのが添加物に関して。これの議論をいつから始めるかを消費者庁は決めていないが、いつか取りかかることは決まっている。消費者の知りたいという考えと、いかに適切に情報提供するかの議論がどこかで始まる」。

〈米麦日報 2018年5月25日付より〉

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