日清食品チルド(株)(東京都新宿区、伊地知稔彦社長)と(株)Mizkan(愛知県半田市、吉永智征社長兼CEO)は24日、共同開発新商品発表会「夏の夕べの鍋パーティー」を開催。8月27日に発売する鍋の〆(しめ)用のチルド麺とチルドの鍋つゆを紹介した。

日清食品チルドが発売するのは「麺の達人 〆まで美味しい 鍋用 生うどん 2玉」、「同 生ラーメン 2玉」、「ちゃんぽん麺 2玉」。各200円(税別)。ミツカンが発売するのは「〆まで美味しい 寄せ鍋つゆ 濃縮タイプ」、「同キムチ鍋つゆ 濃縮タイプ」、「同 ちゃんぽん鍋つゆ 濃縮タイプ」。各350円。販売は両社がそれぞれに行うが、「日清食品チルドのプレゼンにミツカンの担当者が同席、その反対のパターンもあり、協力して商品をPRしていく」考えだ。

〈日清食品チルド・伊地知社長〉
当社は今年で35周年。グループではチキンラーメンの60周年と、色々な意味でメモリアルイアーを迎えた。しかし、市販用のチルド麺市場は低迷している。昨年の4月に社長に就任してから、もう何度か話しているが、お客様に新しい価値提案ができずにマーケットが縮小している。その中、簡便、個食、健康の3つのテーマを中期的に深掘りしていきたい。

今回の新商品は「簡便」という要素を組み入れたと思っていただいていよい。ミツカンと当社がお互いの得意なところで協力した。なんとかして新しいマーケットを作りたい。

〈ミツカン・吉永社長〉
当社は「味ぽん」のころから鍋を得意としてきた。ただ、近年はつゆを手作りしたり、水炊きをする人が減っていて、家庭では出せない味のつゆを商品化している。おかげさまで前期の当社の鍋つゆの売上も過去最高となり、順調に推移している。さらなる拡大に向けて今回はチルドの鍋つゆを発売する。

我々は温度帯に係わらず美味しいものに取り組んでいる。2014年に「味確認室」を立ち上げ、味を研究し追求してきた。要冷蔵という不便さはあるが、レトルト殺菌をせず、風味の利いた美味しい商品に仕上がった。そこにチルド麺のプロの日清食品チルドの美味しい麺が加わる。満足いく鍋になっていると思う。

〈開発の背景/ミツカン・中田賢二商品企画部長〉
今回は「〆」を鍋の“メーン”へと格上げするという商品企画。共働き世帯が増加することで、「家事負担をいかに軽減するか」への関心が高まっている。また、調査によると、負担に感じる家事の1位が「夕食の用意」だが、こだわっている家事の1位が「夕食の調理」。「夕食は負担だがこだわりたい」という意識がある。
ミツカン・中田賢二商品企画部長

ミツカン・中田賢二商品企画部長

家事負担を減らす商品、サービスは拡大しており、作り置きレシピやアマゾンダッシュボタン、時短家電にもニーズがある。家庭でご飯を作る時間は減らしていきたいというニーズがある。

「鍋」は家事負担を減らせるメニューとして認知されている。鍋料理の魅力を調査すると、「調理が簡単」、「献立を考えなくてすむ」、「後片付けが楽」といった回答が上位に来る。色々なメニューが縮小する中で、鍋は元気だ。こうした背景を踏まえ、もっといい提案はないかと考え、「同じ売場に鍋も麺もある」という分かりやすい提案をしていく。

鍋つゆ市場は5年間は200億円台だったが、2017年には300億円を超えた。9月~2月の半年間の鍋実施回数を調べると、中心は11~15回くらい。月に2回は鍋を実施している家庭が多い。私自身は週に1度は鍋を食べる。簡単で美味しいメニューという実感がある。

鍋の〆の実施率を見ると、全体の60%以上が実施する。そして、以前は鍋の〆といえば雑炊がほとんどだったが、最近ではうどん、ラーメン、場合によっては蒟蒻麺と麺で締める方が増えている。鍋つゆのバスケット分析(一緒に買われる商品を見つけるデータ分析)でも、チルドラーメンやゆで麺のリフト値(関連購買傾向を示す数値)が高く、非常に鍋つゆとチルド麺の親和性は高い。「より美味しい」や「隣にある」といった価値提案ができれば、親和性をもっと高めていけるのではないかと考えている。

〈開発の背景/日清食品チルド・山岸義典マーケティング部第1グループプロダクトマネジャー〉
鍋の〆に使用する麺はチルド麺が一番多い。3食ラーメンや、3玉うどん等。調べてみると鍋専用麺への認知はまだ低い。そして、鍋の〆の麺の不満点を聞くと、「鍋つゆがドロドロとしてとろみがつく」、「食べているうちに延びて美味しくない」、「下ゆでが必要」等の声がある。これらを解決できる麺を開発した。

日清食品チルド・山岸義典マーケティング部第1グループプロダクトマネジャー

日清食品チルド・山岸義典マーケティング部第1グループプロダクトマネジャー

チルド麺は麺類の中で最も本格的というイメージがある。しかし、食シーンは昼食が多く、夕食に入っていかないのが課題。鍋とコラボすることで夕食シーンで喫食してもらい、チルド麺の活性化を図りたい。

今回の商品コンセプトは「〆まで楽しめる鍋つゆ」と「〆まで美味しい鍋専用麺」だ。

〈商品紹介/ミツカン・中田部長〉
つゆは具材を足していっても、薄まったりせずしっかりした味が楽しめる。鍋つゆは通常レトルト製法で作っているが、今回は麺に合うようにチルドで製造し、冷蔵保存するタイプを採用。ストレートではなく濃縮タイプにしてダウンサイジングした。寄せ鍋は香り豊かで食欲をそそる味を、ちゃんぽんは鶏ガラ・豚骨の濃厚な風味を、キムチ鍋は炒めたニンニクと韓国産唐辛子の香りが楽しめる。

〈商品紹介/日清食品チルド・山岸プロダクトマネージャー〉
麺はおいしさと簡便さを実現した。独自の打ち粉のない麺は下ゆでいらず。また、麺に熟成をかけることでグルテンの形成がよくなり、のびにくい麺に仕上げている。

店頭売価は合わせて400~450円を想定している。

今回のコラボはトライアル購入を目的とした合体型コラボではなく、ミツカン・日清食品チルド両社がお互いの強みをぶつけ合い、約2年をかけて作り上げた、チルド麺市場における新たな鍋文化を提案する企画。消費者の皆様にチルド品質の美味しさで、最後までに鍋を楽しんでいただきたい。

〈質疑応答(敬称略)〉
Q:両社のコラボの経緯は。

山岸:弱みの部分である夕食シーンにもチルド麺を広げるきっかけにしたかった。当社の社員とミツカンの社員の間で話をしたのが最初のきっかけ。

中田:そう、日清食品チルドの元セールスで、今は開発を行っている方と、ミツカンの営業で「何かできないか」という話があり、私のところに上がってきて、山岸さんと「何かできませんかね」という話をした。

Q:店頭での販促の連携をどう落とし込んでいくか。

山岸:当社のプレゼンにミツカンの営業、ミツカンのプレゼンに当社の営業が一緒に行って、セットでプレゼンをしている。

Q:どのくらいの市場規模を見込んでいるか。

山岸:具体的な数字は申し上げられないが、スタートは小さいかもしれないが大きく育てていきたい。

Q:流通からの反応は。

伊地知:商品が固まりプレゼンを全体の半分くらいまで進めている。思った以上に評判は良い。ただ、6アイテムを並べるのは難しいという反応も、もちろんある。販促の部分で、平台で一緒に並べてという話は多いが、定番についてはどうなるか交渉中。

〈米麦日報 2018年7月26日付より〉