〈原料高・製品安の経営環境、「売価転嫁できなかったが全てではない」〉
米穀機構(福田晋理事長)は5日、商系米穀卸売業者の2017(平成29)年度経営概況を公表した。前年度と比較可能な116卸(前年度119卸)を対象に合算集計(各社ごと決算期は異なるが約7割にあたる79卸が3月期決算、ただし事業再編に伴い前期比較ができなかった最大手・(株)神明を今回も除外している)したもの。
それによると2017年度決算は、売上高8,133.19億円(4.7%増)、営業利益37.43億円(34.2%減)、経常利益43.20億円(38.6%減)の増収大幅減益となった。増収減益は2年連続。当期純利益も13.70億円(68.2%減)を計上している。
2017年度米穀卸の経営概況 (2)総売上高

2017年度米穀卸の経営概況 (2)総売上高

2017年度米穀卸の経営概況 (3)売上総利益、販売費、一般管理費及び利益金

2017年度米穀卸の経営概況 (3)売上総利益、販売費、一般管理費及び利益金

会見で米穀機構は「米穀売上高は、売上数量が消費の減少もあり微減となったものの、販売価格の上昇により2年連続で増加し、総売上高も増加となった。利益面では、販売価格に仕入価格の上昇分を十分転嫁できなかったことから、米穀売上利益、経常利益ともに減少した」と総括した。米穀機構が発表している商系卸の経営概況は毎年、米扱い率と売上高規模から、区分Ⅰ・専業大手(米扱い率90%以上、売上高100億円以上)、区分Ⅱ・専業中小(米扱い率90%以上、売上高100億円未満)、区分Ⅲ・兼業大手(米扱い率90%未満、売上高100億円以上)、区分Ⅳ・兼業中小(米扱い率90%未満、売上高100億円未満)に4区分して集計している。

〈売上 売上数量微減も単価上昇で増収〉
米穀の売上数量(歩留り91%の精米換算)は239万5,957精米t(1.3%減)。米穀売上数量の減は2年連続。増加46卸、減少70卸で、区分別では区分Ⅰで増加4卸、減少2卸、区分Ⅱで増加20卸、減少36卸、区分Ⅲで増加5卸、減少5卸、区分Ⅳで増加17卸、減少27卸。精米割合が0.1ポイント上昇して61.0%となった。

会社数として13.8%にすぎない専業・兼業の別なく大手(売上高100億円以上)16卸だけで、総体の60.0%の米穀数量を売りあげていることになるが、これは例年通りの傾向。これが金額ベースとなると、米穀のみ売上高6,282.88億円(5.8%増)で、むしろ増収となる。これも2年連続。原因は明らかに単価の上昇で、ちなみに売上単価(米穀売上高÷米穀売上数量を60kg換算)は15,734円(前年14,678円)で、前年比7.2%高。「相対価格の上昇率を下回っている」ことから「2年連続で仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できなかったものの、全くできなかったわけではない」というのが米穀機構の説明。

米穀のみ売上高は、90卸で増収、26卸で減収。玄米で1.2%増、精米で1.4%増。区分別では区分Ⅰで増加6卸、区分Ⅱで増加43卸、減少13卸、区分Ⅲで増加10卸、区分Ⅳで増加31卸、減少13卸。米穀以外売上高1,787.84億円(1.2%増)、役務収益62.46億円(4.4%増)ともに増収となったため、売上高合計も8,133.198億円(4.7%増)と増収となった。米穀以外売上高は増加49卸、減少57卸、役務収益は増加48卸、減少46卸、売上高合計は増加86卸、減少30卸。

〈収支 相変わらず低空飛行続く利益率〉
粗利(売上総利益)は702.79億円(4.7%減)で、全区分で減益。43卸で増益、72卸で減益、1卸で前年並み。区分Ⅰの減益幅が大きいのは、某卸が「製造原価の考え方を変え、運賃を含めた結果、大幅減益になった」ため。

粗利率(対売上高比売上総利益率)は8.64%(0.86ポイント下落)で、これも全区分で下落。28卸で上昇、87卸で下落、1卸で前年並み。販管費665.36億円(2.2%減)は総体で圧縮に成功したものの、区分Ⅲのみ増嵩。47卸で増嵩、69卸で圧縮。営業利益37.43億円(34.2%減)は51卸で増益、65卸で減益。このうち38卸(前年40卸)が営業赤字を計上した。

営業外収入26億円(9億円減)、営業外費用20億円(1億円減)で、経常利益43.20億円(38.6%減)は51卸で増益、65卸で減益。このうち33卸(前年30卸)が経常赤字を計上した。対総売上高比経常利益率0.53%(0.38ポイント下落)は、他の卸業態が平均2%台だから、相変わらずの低空飛行と言える。

総資本経常利益率は1.26%(0.9ポイント下落)。当期純利益は13.70億円(68.2%減)で、52卸で増益、64卸で減益。このうち30卸(前年28卸)が最終赤字を計上している。

〈米麦日報 2018年9月6日付より〉