中国“康師傅”(カンシーフ)の2018年業績は増収増益、即席麺販売も拡大/サンヨー食品

康師傅(カンシーフ)2018年度決算
サンヨー食品(株)(井田純一郎社長)は6月14日、資本参加している中国の食品大手「康師傅(カンシーフ)控股有限公司」(魏応州董事長)の2018年度(1~12月)決算概況を明らかにした。売上高9,807億円(1人民元=16.16円で換算、人民元ベースで前年度比2.9%増)、売上総利益3,026億円(8.0%増)、税引前利益643億円(17.3%増)、税引後株主純利益398億円(35.4%増)の増収増益となった。

【即席麺事業】
売上高3,865億円(5.7%増)、税引後株主純利益276億円(14.6%増)。プレミアム、スーパープレミアム価格帯麺市場へ主力商品の投入に注力。ハイエンド麺とプレミアム麺を「新ハイエンド領域」、価格が10元を超えるどんぶり麺を「スーパープレミアム領域」と定義し、それぞれ商品開発、販売を行った。

新ハイエンド領域では若年層家族、中産階級消費者向けに、定番品の「紅焼牛肉麺」でアニメキャラクターやテレビ番組を活用した広告を実施。「高菜麺」では「カンフーパンダ」のキャラクターを起用した。「香辣牛肉麺」ではゲーム「栄光の王者」やアニメ「鬥羅大陸」とのタイアップを実施。そのほかにビッグサイズ製品の発売や、栄養と健康に注力した商品を提供した。

スーパープレミアム領域では第4四半期に「速達麺館」という、歯ごたえのある麺、濃厚でコクのあるスープ、牛肉の塊が入った具材レトルトパックの入った商品を20元超の価格で販売した。

なお、AC Nielsen 社の最新調査報告によると、カンシーフの2018年の中国国内市場シェアは即席麺が43.3%、RTD茶が47.1%で、ともにシェア1位を継続している。

2019年度は、
〈1〉商品機構の高度化=高級化志向や健康志向への対応
〈2〉ブランド投資の強化=キャラクターの活用、中国宇宙開発事業とのコラボレーション、各種スポーツイベントや多様なメディアを通じたマーケディング
〈3〉販売チャネルにおける各種パートなどの協働=チャネル最適化、新規チャネル開拓、自販機事業やビッグデータ応用による各種小売業態との連携推進
――の3つの施策を進める考えだ。

〈米麦日報 2019年6月17日付〉