幸福米穀の新精米工場が大阪・枚方に竣工、能力3倍増の月間最大6,000tに

幸福米穀 新精米工場
幸福米穀(株)(大阪府枚方市、北本武社長)は6月21日、新精米工場の披露会見と精米システムの実演会を開催した。寝屋川市の旧工場から3月に移転した新工場では精米3ライン(うち2ラインは無洗米加工プラントと接続)を新設、FA制御による24時間稼働を実現し、生産能力は旧工場の3倍、月間最大6,000tとなった。精米工場のほか、現在建設中(6月中に稼働予定)の、玄米2,000t収容の低温倉庫、来年2月には玄米を原料とするパンの製造工場の竣工を予定している。

新工場には東洋ライス(株)製プラントを採用、「玄米を最適の度合いで搗精する『搗精度計』を内蔵した精米プラントにより、玄米の品種や品質に応じて自動的に『最適搗精度』に仕上げることができる」。これにより「それぞれ米のおいしさを最大限に引き出し、栄養も残る。吸水もよくなり炊き増えする」(北本社長)としている。オペレーター不要で、ロット切替え時間も1.0~2.5分と短縮され、生産効率が向上している。また、マルチ選別機と色選を導入、不良品とともに除かれた良品を戻さない「リターンレス機能」で異物や不良品の混入を最大限に防ぐ。設備を納入した東洋ライス(株)の雜賀慶二社長は「工場の状況も多品種少量生産に変わってきている。新型精米機(ICM-60B)はAI機能を備え、ロットごとの精白度の調節やロットごとの切替えが不要、1粒あたりのムラ剥離がなく、必要以上の搗きこみが不要となった。ワンランク上の良食味となり、高歩留りが得られる」と語った。

北本社長は新工場の最大の特徴として以下の4点を挙げた。
〈1〉搗精度計を搭載した精米機により、精米を自動制御、米がもっとおいしくなる。仕上げ工程では研削の段階がなく、摩擦のみで米への負担が少ない。
〈2〉マルチ選別機と色選という最高性能の選別機の採用により、徹底した異物除去が可能。
〈3〉FA制御による24時間稼働で、夜間に無人で精米が可能。
〈4〉工場の目前に大阪と京都を結ぶ大動脈である高速道路(第2京阪)が通っており、インターチェンジからは1分という立地。地盤も強く、災害に強い工場づくりが可能。

今後の展開について「昨年50周年を迎え、これからの50年は大きく時代が変わっていく。現在、お米を使ったグラノーラ、玄米を使った食パンを製造販売するベーカリー事業、お米エキスを使った化粧品やサプリメントを展開している。美と健康をテーマにお米の可能性を最大限に引き出していく」と語った。

【工場概要】
▽所在地=大阪府枚方市茄子作南町1312
▽敷地面積=工場2,000坪、建屋1,200坪
▽投資額=約30億円(土地・総工費)

〈米麦日報 2019年6月25日付〉