本紙「米麦日報」の調べで、全農子会社パール卸(全農県本部・経済連・県域単協の本体・子会社を除く、純粋に全農の子会社のみ)のうち、前年度と比較可能な15社の2018(平成30)年度(2019年3月期)決算が明らかになった。15社合計で、売上高2,091.60億円(前期比0.1%増)、営業利益12.48億円(同56.6%増)、経常利益13.31億円(同64.3%増)の増収大幅増益で、当期純利益も8.93億円(前期は6.25億円の損失)を計上している。増益は3年ぶりで、最終益の黒字回復は2年ぶり。もっとも前年、最終益で赤字を計上したのは「ダイヤモンド問題」で巨額の損失を被った(株)京山のみで、今回はパール卸から離脱している(全農が資本を引きあげている)ことから、最初からなかったものと考えると、最終益の黒字計上は5年連続ということになる。
全農子会社パール卸15社の2019年3月期は増収大幅増益

本紙のパール卸経営概況でも、米穀機構による商系卸の経営概況とほぼ同じ区分を採用している。「専業」とは卸売業・炊飯業など米穀関連事業単体のパール、「兼業」とは米穀関連以外の事業も兼業しているパールを指し、2018年度(2019年3月期)の売上高を基準に「100億円以上・未満」に区分した。この結果、専業大手3社、専業中小7社、兼業大手1社、兼業中小4社という構成。数の上では兼業中小1社減にあたる。なお全農パールライス(株)の子会社(全農本体からすれば孫会社)にあたる(株)煌(きらめき)は、炊飯(米飯加工業)のみを事業内容としているため、除外している。
 
この4区分別にみると、売上高は専業大手と兼業中小が増収で、専業中小と兼業大手が減収。実際に減収だったのは3社のみで、これが専業中小と兼業大手に集中した恰好。単価は上昇しているわけだから、明らかに米穀以外が減収要因とみられる。
 
営業利益段階では、専業・兼業ともに中小が増益(兼業中小は黒字回復)、大手が減益。特に専業大手1社が大幅な営業赤字を計上したことが足を引っ張り、逆に専業中小2社が牽引して大幅増益を実現している。
 
総体では12社が連続黒字(うち6社が増益、6社が減益)、1社が黒字回復、1社が赤字転落、1社が連続赤字。なお対売上高比営業利益率は0.22ポイント上昇して0.60%となった。
 
経常利益段階では、全区分で増益(専業中小と兼業中小は黒字回復)。総体では13社が連続黒字(うち9社が増益、4社が減益)、1社が赤字転落、1社が連続赤字となった。なお対売上高比経常利益率は0.25ポイント上昇して0.64%となった。
 
最終益(当期純利益)段階では、専業大手のみ減益、他は増益(専業中小は黒字回復)。総体では14社が連続黒字(うち9社が増益、5社が減益)、1社が赤字転落。
 
何らかの形で10社までが配当を実施している。内訳は、増配1社、配当継続8社、減配1社。無配当が5社(うち無配当継続4社)にとどまっているのはいいとして、これには無配当転落1社を含んでいる。
 
利益率も利益そのものと全く同じ傾向だ。総体として、総資本が2.5%減の608.70億円、固定資産が5.1%減の142.23億円、自己資本が1.4%増の206.49億円となった。結果的に「100%以下が望ましい」とされる固定比率(固定資産÷自己資本)は6.9ポイント下落(良化)して68.9%となり、自己資本比率(自己資本÷総資産)も2.2ポイント上昇(良化)して33.9%となった。
 
〈米麦日報 2019年9月6日付〉