農林水産省は9月17日、「2050年における世界の食料需給見通し」を公表した。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書(2014年=平成26年公表)を踏まえ、超長期食料需給予測システムで基準年次2010年の40年後の姿を弾き出したもの。それによると、世界の食料需要量・生産量は、ともに1.7倍に増える見通しとなっている。

世界の食料需要量は、基準年次の2010年が34.30億tで、今回の予測では40年後の2050年に1.7倍の58.17億tまで増える見通し。これは畜産物と穀物の増加が大きく、人口増加や経済発展を背景に、低所得国の食料需要量は2.7倍に、中所得国でも1.6倍に増加する見通しとなっている。一方、世界の穀物生産量は、需要量の伸びに対応して、2010年の21.26億tから2050年には1.7倍の36.44億tまで増える見通し。油糧種子も2010年の3.63億tから2050年には1.6倍の5.92億tまで増える見通し。

これら需給を品目別に見ると以下の通り。

〈小麦〉
収穫面積が横這いのなか、単収の増加により、生産量は2010年6.69億tが2050年12.18億tに1.8倍増。ところが高所得国では生産量が増加する一方、経済発展の鈍化により需要量の増は見込めないことから、純輸出量が2.9倍に増加する見通し。低所得国では、生産量が増加する一方、人口増や経済発展により需要量が生産量の伸びを超えて増加することから、純輸入量が6.8倍に増加する見通し。

〈米〉
世界レベルでは収穫面積が横這いのなか、単収の増加により生産量は2010年の4.44億tから2050年7.60億tに1.7倍増。アジアの中所得国を中心に、単収の増加による生産量の伸びが需要量の伸びを上回ることから、2050年には中所得国全体として輸出超過に転じる見通し。一方、アフリカなど低所得国では、生産量の伸びが大きいが、人口増や経済発展による需要量の伸びを上回ることができず、低所得国全体として輸入超過に転じる見通しだ。

〈とうもろこし〉
世界レベルでは収穫面積が横這いのなか、単収の増加により、生産量は2010年8.31億tから2050年13.65億tに1.6倍増。中所得国では、アジアで畜産需要の増大による飼料用需要量が大幅に増加するものの、中南米を中心に生産量の伸びが飼料用需要の伸びを上回ることから、2050年には中所得国全体として輸出超過に転じる見通し。低所得国では生産量が増加するものの、経済発展による需要量の伸びを上回ることができず、純輸入量が増加する見通し。

〈大豆〉
世界レベルでは、収穫面積と単収の増加により、生産量は2010年2.55億tから2050年3.74億tに1.5倍増。高所得国では生産量は増加するが、経済発展の鈍化により需要量が横這いで推移するため、北米を中心に純輸出量が増加する見通し。中所得国では人口増や経済発展による需要量の増加が生産量の増加を上回り、純輸入量が増加する見通しだ。

〈米麦日報 2019年9月24日付〉