林原 岡山第二工場「新プルラン・酵素棟」竣工、生産能力約2割向上

林原 岡山第二工場「新プルラン・酵素棟」
(株)林原(岡山市北区、安場直樹社長)が2019年2月より建設を進めていた岡山第二工場(岡山市北区今保)の新プルラン・酵素棟(以下、新P棟)の工事が完了し、7月3日に竣工式を執り行った。新P棟は1976年建設の現P棟の老朽化に伴い新たに建設したもので、プルランの製造とともに、酵素を製造する役割を担う。

プルランは酵母が水あめを原料にして作り出す水溶性の多糖で、無味無臭の白い粉末。水に溶けやすく安定性が高く、結着性、増粘性、被膜性、成形性などの特性を活かして、主に食品の接着、増粘、品質改良やカプセル製造など幅広い用途で使用されている。また、酵素は微生物が生み出すたんぱく質で、でん粉から各種の糖質を製造するために自社工場で使用している。

新P棟は環境面に配慮し、廃棄物の発生量を削減する設備の導入や自動倉庫の活用による省力化、製造工程の動線改良による効率化などの改良が施され、生産能力は現P棟と比較して約2割向上した。「製品の安定供給はもちろん、今後の需要拡大が期待される海外市場での販売を見据えた製造量を確保できる見込み。

長年のプルラン・酵素生産のノウハウに基づいた独自の製造技術、最新の製造設備や省エネ設備を導入しており、今後の製品競争力を強化していく」としている。現在は生産機器類の試運転調整を進めており、テスト製造を経て、今秋から本格稼働する予定だ。

〈林原 岡山第二工場「新プルラン・酵素棟」施設概要〉
▽所在地=岡山市北区今保578
▽建物概要=鉄骨造6階
▽建築面積=約1,300平方メートル
▽延床面積=約5,000平方メートル
▽工期=2019年2月1日~2020年6月3日
▽施工=(株)日立プラントサービス
▽投資総額=約75億円

〈米麦日報2020年7月7日付〉