京都府立大と農研機構はこのほど、雲母に含まれる「非交換態カリウム」が玄米の放射性セシウム吸収を抑制する効果があると発表した。

福島県では放射性セシウムの吸収抑制対策として、「交換態カリウム」が一定以上になるように水田へのカリウムの施肥が行われているが、仮にカリウム施肥や稲わらの還元などを行わなくなった場合、土壌中から米に移行する放射性セシウムがどう変化するのかは判っていなかった。

研究グループが県内広域の水田で採取した土壌と玄米を用いた結果、まず、カリウムを施用せずに米を栽培した水田では交換態カリウム量が大きく低下し、それに応じて玄米の放射性セシウム濃度が増加することが判った。しかし、カリウムを施用しなくても玄米の放射性セシウムが増加しない水田も確認されており、それらの土壌には「非交換態カリウム」と呼ばれる雲母系鉱物から放出されるカリウムを多く含んでいることが判った。こうした土壌は主に阿武隈高地周辺の花崗岩地帯に分布している。

従来、「非交換態カリウム」は植物にとって使いにくいとされ、放射性セシウムの吸収抑制効果は小さいと考えられてきたが、今回の研究によって初めて営農水田での高い効果が実証された。これによって、カリウム施肥量を減らすことで放射性セシウムの移行リスクが高まる水田と、比較的リスクが上昇しにくい水田を見分ける技術の確立に繋がり、科学的エビデンスを基にしたカリウム追肥の省力化が期待されるとしている。

〈米麦日報2020年7月28日付〉