北つくば農協(茨城県筑西市)は9月11日、管内(明野地区)の圃場で「水稲品種“にじのきらめき”刈取講習会」を開催した。

「にじのきらめき」は農研機構が2018(平成30)年に開発した品種で、高温耐性や耐倒伏性に優れ、縞葉枯病に抵抗性を持つのが特徴。「コシヒカリ」並の良食味を備え、その「コシヒカリ」に代わる業務用米として、関東・東海・北陸で作付が始まっている。講習会には木徳神糧(株)協力のもと、生産者だけでなく肥料メーカー、包装資材メーカーののむら産業(株)などが多数参加した。
「コシヒカリ」(左)と、「にじのきらめき」(右)の比較、「にじのきらめき」は粒張りが良く、青未熟粒が少ない。

「コシヒカリ」(左)と、「にじのきらめき」(右)の比較、「にじのきらめき」は粒張りが良く、青未熟粒が少ない。

冒頭、北つくば農協営農経済部米穀販売課の潮田英明課長は、「今年は梅雨が長引いた影響で“コシヒカリ”は特に徒長気味で、その後の8月12~13日にかけての豪雨で倒伏してしまった圃場もある。だが、耐倒伏性のある“にじのきらめき”は、豪雨のあとでもしっかり立っていて、収量が見込める。早くも刈取を始めた生産者からは“10俵以上収穫できた”との声もあるので、今回の講習で刈取のポイントを学んでもらい、1俵でも多く収穫していただければ」と述べた。
 
講習会では茨城県庁筑西地域農業改良普及センターの坪井真樹専門員が「にじのきらめき」のこれまでの生育経過と適期収穫のためのポイントを説明。「現在は稈長、穂長は前年並だが、穂数は前年比88%となっている」とした一方で「“にじのきらめき”は粒張りが良く、千粒重が重いため、穂数が若干少なくても収量そのものは期待できる」とした。
 
講習会後には、「にじのきらめき」の試食会を実施。試食者からは「粘り気が強く、美味しい」との声が多く挙がった。農研機構・農業技術コミュニケーターの塚本心一郎氏は「昨年、(一財)日本穀物検定協会による食味ランキングの際に試食を実施したが、“コシヒカリに負けず劣らず美味しい”との感想をいただいた。粒張りが良いので、炊いたときの見た目もふっくらしていて良い。今後は食味ランキングの“特A”を目指して、茨城が代表的な産地となるように普及を目指していきたい」と語った。
 
今年度の「にじのきらめき」の作付面積は、全国で650ha、北つくば農協では令和元年産の約10倍にあたる160ha と全国で最大規模となる。しかし、COVID-19(新型コロナウィルス肺炎)によって業務用米が打撃を受け、刈取講習会に参加した生産者からは「作付面積は増えているが、販売の見通しは立っているのか」との懸念の声もあった。
 
今後の販売戦略について木徳神糧(株)米穀事業本部の佐々木憲一アシスタントマネージャーは、「COVID-19禍で令和元年産の在庫は残っており、この先価格が下がることは避けられない」とする一方で、「我が社の“にじのきらめき”の取り組みは今年で3年目を迎えた。これからは生産者、農協、卸、包装メーカーなどが一体となりコスト削減に取り組み、外食の主要取引先のみならず、地産地消を目指す外食向けにも拡販していく。すでに茨城では和食店などが取り入れており、評判も良いためこれから広げていきたい」と意気込みを述べた。
 
〈米麦日報2020年9月15日付〉