全国農業再生推進機構(全国組織)は2月2日、第2回「米マッチングフェア2020」をオンラインで開催した。午前の部は2部制の基調講演で、以下の2名が登壇した。1部=(株)プレナス 商品本部 購買部長 堀下和彦氏、▽2部=(株)アイホー炊飯総合研究所 平田孝一氏。

今回は1部の内容を紹介する。堀下氏は「プレナス米への取り組み~米へのこだわりと新規の取り組み~」として、外食産業の現状からプレナスの米に対する取り組みなどを説明した。

〈米へのこだわり〉
プレナスは1980(昭和55)年に弁当事業に参入。現在は持ち帰り弁当の「Hotto Motto(ほっともっと)」や定食レストランの「やよい軒」を主力に、グループ全体で国内に約2,600店舗、海外に約260店舗を展開する。

海外店舗はほとんどがタイ・バンコクの「やよい軒」だという。同社は「“米・ごはん”をビジネスの根幹」とし、北海道から九州まで年間約4万tの玄米を調達、国内で提供する米は国産100%にこだわっている。産地別に集荷数量を見ると、長野16.25%、岩手15.00%、富山11.25%、山形8.75%の順となる。産地から届いた玄米はフレコン毎に品質チェックを行い、整粒歩合・水分値などの状態確認から炊飯後の食味調査まで実施する。

使用銘柄としては「コシヒカリ」が一番多く、「あきたこまち」「てんこもり」「天たかく」「こしいぶき」などを採用。「やよい軒」では炊きたてが一番美味しい2種類、「Hotto Motto」では冷めても美味しく、経時変化に強いものを3種類ブレンドしているという。精米は埼玉・福岡の自社精米センター、ホクレン(北海道)、東洋ライス(株)(大阪)の精米センターの4か所で行っており、「精米したてのお米がお店に届くようにしている」。

各店舗に届いた米は浸漬時間・水分量・保管温度などが記載された「炊飯マニュアル」を徹底し、ガス釜で炊飯する。堀下氏によると「玄米、精米、炊飯のそれぞれの時点で品質保持を徹底している。米そのものの善し悪しも大事だが、取扱が大切。店舗に届いた米が何日も保管されていると良くないので、毎日精米して送っている」とする。

〈外食産業を取りまく現状〉
堀下氏は人件費・物流費・原材料費の高騰により「COVID-19(新型コロナウィルス)よりも前から外食産業は厳しい状況だ」とする。COVID-19の影響としては「『やよい軒』や海外店舗は厳しい状況だが、テイクアウト需要の増加で『Hotto Motto』は前年を上回る好調ぶり」だという。また、米の調達については「COVID-19禍によって販売が減少しており、昨年は米を買いやすい状況だった」とする一方で、「低価格の業務用米に関しては、『年間4万tの米を買いたい』という希望に対して2万5,000tくらいしか出てこなかった」とした。

〈購入に関する新規取り組み〉
外食産業の現状を踏まえ、同社は米の購入について新たに3つの取り組みをスタートした。

〈1〉価格の安定=相対相場によらない安定的な取引を目指す。同社の仕入と生産者の経営のバランスがとれた価格を、再生産価格をベースにコスト構造を理解したなかで継続していく。堀下氏は「昨年のように供給過多になり、米の価格が下落したところで弁当の価格を下げることはできない。逆も然りで、消費者は安定した価格を望んでいる。我々と生産者の経営、お客様へのサービスを維持するためには、安定した価格が大切」とする。

〈2〉仕入先の多チャネル化=同社は全国展開しているが「米の調達はどうしても東日本に偏ってしまい、西日本の安定供給が難しい。道産米を輸送することもある」としている。玄米そのもの以外のコストを抑えるために、全農や商系卸の手が届かない、単協や生産組合との連携も図る。

〈3〉業務用米の推奨=一部産地では農業法人と契約し同社専用の業務用米を栽培しており、これを拡大する。堀下氏は「多収米だけでなく、直播にも注目している。北海道では新しく耕地を増やす際に直播に切り替えているという話も聞いており、いかに低コストで収益を上げるかが重要」とする。多収米・直播を推進していくために、昨年は予めリスクヘッジを含めた価格を設定し、実際の単収と労力を調査したという。「今後は収穫量に対して価格を設定する」とのことだ。

また、海外店舗向けの米はこれまで国産米の輸出や現地栽培していたが、今年から自社で生産を開始する。「我々が米づくりに携わらずして生産者と交渉するのは難しい、米づくりの大変さを理解していこうとなった。それに、海外店舗のお客様にも日本の米を食べていただきたい」と堀下氏は述べた。

〈米麦日報2021年2月3日付〉