「FOOMA JAPAN 2021」愛知で開催、米穀関連機械メーカーが続々出展

サタケ「SAXES Knight(サクセス・ナイト) 3.5」
(一社)日本食品機械工業会は6月1〜4日、2年ぶりとなる「FOOMA JAPAN 2021(国際食品工業展)」を愛知スカイエキスポで開催した。2020年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、2021年は愛知に場所を移しての開催となった。ブースを構えた米穀関連の機械メーカーからは「コロナ禍前と比べると、やはり来場者がかなり少ない」との声が挙がった一方、「都内で開催する時よりも中部・関西の来場者が多いので、新規の商談に繋げられる」と期待の声も聞かれた。

〈(株)サタケ〉
ひときわ広いブースで最新機をアピールした。来場者の注目を集めた100インチスクリーンでは、新精米モデルプラント「MILSTA(ミルスタ)」の特別映像を放映した。「MILSTA」が提案する精米プラントのコンセプトは「省力化と自動化」「品質担保とリスク分散」「顧客の利益貢献」だ。工場に不可欠なハード面だけではなく、全体の工程を「サタケiネットワークシステム」で一括管理・監視することができる。「既に興味を持っていただいている卸もおり、それぞれが抱える課題に応じて自動化・省力化を実現していく」(担当者)。

2021年3月に投入したばかりの大規模生産者向け光選別機「SAXES Knight(サクセス・ナイト) 3.5」は、2020年3月に発売した「SAXES Knight 2.3」の上位機種にあたる。従来機である「ピカ選(3.2tタイプ)」をベースに、機能・性能・デザインを刷新した新機種だ。「3.5tは他社にない能力帯で、既に大型RCなどから受注が来ている」。

2020年9月投入の新型光選別機「SLASH(スラッシュ)」は、2010年に精米工場・共同乾燥調製施設向けとして投入した「ピカ選グランド」の後継機だ。シュートの構成を変えることで不良品の再選別(=歩留まり向上)ができるほか、不良品の選別部分などに多くの新技術を盛り込んで大幅に性能を向上させた。また、高さが従来機よりも低いため、設置コストを抑えることができる。ピカ選グランドから10年以上が経っているため、更新需要を狙っていく。

〈(株)西村機械製作所〉
米穀関連では、主力の超小型気流粉砕米粉製粉機「フェアリーパウダーミル」(FPM―150S)のほか、小袋用自動計量機「エヌパックスケール」、手投入振動ふるい機(選別機)などを紹介した。「フェアリーパウダーミル」は、周辺農家の米を使って洋菓子などを製造・販売する道の駅などから引き合いが高まっており、「バームクーヘンやパン関係など洋菓子に適した細かい米粉を作ることができると好評だ。コロナ禍の影響もなく順調に伸びている」という。

自動計量機「エヌパックスケール」は、主に粉体を自動で充填・計量することができる機械だ。粉体の場合はスクリューフィーダー、精米などの場合は振動フィーダーで切り出し、はかりが設定重量を計測すると自動で止まるシステムになっている。

西村機械製作所「エヌパックスケール」

西村機械製作所「エヌパックスケール」

 
〈鈴茂器工(株)〉
ライス盛り付け機「Fuwarica(ふわりか)」からベンダー工場向け大型機までラインナップ。「Fuwarica」では、非接触センサー搭載機を参考出品した。従来機に取り付けたセンサーに手をかざす間だけモニターのご飯量が切り替わり、目的の量で手を離すとその分だけ茶碗に盛り付けられる。ベンダー向けでは、従来の弁当容器の形を自動認識してご飯を盛り付ける「飯盛り・供給ライン」に、容器の自動整列装置を加えたモデルを公開。通常、ご飯を盛り付けた弁当容器はそのまま一列にラインを流れていくが、工場によっては次のおかず盛り付け作業のために、容器の向きや列を人手で調整する必要があった。今回の自動整列装置は、設定に応じて容器の向きを変更したりラインに流れる容器を一列から二列に変更したりできる。
 
同じくベンダー向けでは、おにぎりを成形した後に自動で海苔付け・折り込みする「NOR-ULA」も紹介した。おにぎりの形状は三角・丸型でも問題なく、海苔は姫巻・帯巻・全巻が可能だ。「いま、コンビニエンスストアや食品スーパーでは特にランチパック型のおにぎり+総菜販売が人気なので、姫巻に対応した海苔巻き機の引き合いが非常に強い」。
 
〈(株)ケツト科学研究所〉
新型穀粒判別器から各種水分計、成分計までを取りそろえた。農産物検査での使用が認められている穀粒判別器「RN-700」は、60万円弱の値段ながら高い性能・シンプルな操作性が評価され、そのシェアを伸ばしている。
 
また、インライン型(生産ラインに組み込むタイプ)近赤外水分計「KB-30」は物体に近赤外線を照射し、反射時の光量を基に水分を測定する器械だ。非破壊・非接触のままリアルタイムに測定することができ、近赤外線の照射による試料の変質もない。対象は小麦などの原料だけではなく、加工食品、医薬品まで幅広い。インライン型では水分のほかタンパク質・炭水化物(糖質)・脂質などを測る上位モデルも用意。インライン型ではない卓上タイプとしては、水分・成分分析計「KB-270」を展示・実演した。こちらも近赤外の反射光を使っており、数秒で水分・タンパク質・炭水化物・脂質を測定できる。サンプルによるが、試料をじか置きして測ることも可能だ。「粉体にも問題なく使用できるので、製粉会社からも引き合いがある」。

ケツト科学研究所「KB-30」

ケツト科学研究所「KB-30」

 
〈米麦日報2021年6月7日付〉