農研機構とフローウィング(兵庫県姫路市、田中勝久社長)は共同で、健康増進を目的とした冷凍弁当「NARO Style PLUS MEAL SET(ナロスタイルプラス ミールセット)」を開発、3月31日に発売開始を予定している。1月26日にはオンラインで記者向けの説明会を実施。参加者には事前にサンプルの弁当を郵送し、試食も行った。

2025年には人口の3分の1が65歳以上(後期高齢者)になると言われており、医療費の増大が懸念される。農研機構は「皆が健康を維持できる環境の開発が急務」とし、特に内臓脂肪の増加に警鐘を鳴らす。

そこで農研機構は“健康を維持するセルフケア食”「NARO Style弁当」の開発に着手。3月31日発売予定の前身となるもので、大麦を50%混ぜたもち麦ご飯・おかず3品・高カテキン緑茶を組み合わせた弁当を開発した。2016年に実施したヒト介入試験では「玄米ご飯よりもち麦ご飯を食べた被験者の方が顕著に内臓脂肪面積が低下した」という結果が得られ、弁当にはもち麦ご飯を採用することとした。

前研究をもとに「NARO Style PLUS MEAL SET」では、管理栄養士の房晴美氏が栄養価をもとに10種類のメニューを開発。量産するために製造工場の管理栄養士が調理後の見た目やコストなどを勘案し、メニューを決定した。10メニュー平均の栄養価はエネルギー584kcal、たんぱく質28g、脂質17g、炭水化物87g(うち食物繊維15g)。

日本人の食事摂取基準と比べると「たんぱく質は1日に望ましいとされる量の約4割、食物繊維は約7割を摂取できる」。また、食塩相当量は1.35gと「通常販売される弁当の塩分(2.5g)に比べ、脅威の低塩分!」。もち麦ご飯の大麦は「褐変しにくく食感が良い」という「きらりもち」を使い、もち麦ご飯150gあたりで、β-グルカンを2g含む。おかずは4種類に増やし、豆類を積極的に使用した。「豆類にはモリブデンやカリウムなどの成分が含まれている」(農研機構食品研究部門・山本万里氏)。高カテキンの「べにふうき茶」をセットにした。
記者向け説明会で配布したサンプルの弁当

記者向け説明会で配布したサンプルの弁当

販売は一般向けと企業向けに展開する方針だ。一般には個食タイプの弁当、企業には袋ごと湯煎で温め、配膳できる形をとる。フローウィングの流通プラットフォームを活かして、オープン・クローズの両方での販売を試みる。前者はAmazonやYahoo!などのECを通し、後者は調剤薬局や訪問介護を担う企業を介し消費者に届ける。販売価格はメニューごとに変わるが800円程度を見込んでおり、「インターネットで販売されているおかずだけの冷凍弁当とは全く違う。空腹を癒すのではなく健康維持のための食事を提供する」(田中社長)。今後、メニューは40種類まで増やす予定としている。
 
〈米麦日報2022年1月28日付〉