【令和3年産米の食味ランキング】祝!「和歌山きぬむすめ」特A獲得、エントリー全道府県が特A取得達成【特A42銘柄】

令和2/3年産の食味ランキング銘柄数
〈関東周辺で特A減少も、北東北・北海道・西日本は安定〉
(一財)日本穀物検定協会(井出道雄会長、伊藤健一理事長)は3月2日、令和3年産米の食味ランキングを発表した。

対象は152産地品種銘柄(令和2年産154銘柄、令和元年産155銘柄、平成30年産154銘柄)で、最高ランクの「特A」にランクインしたのは、42銘柄(前回53銘柄)だった。「特A」の銘柄数が40台となるのは平成29年産以来となる。連続「特A」は27銘柄、Aからのランクアップ「特A」は13銘柄、特Aからランクダウン「A」は22銘柄となった。

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冒頭、井出会長は「各産地が育成に切磋琢磨し、多くの新品種が生まれている。今回も参考品種として秋田サキホコレ、愛知なつきらり、高知よさ恋美人がというニューフェイスが登場した。また、栽培管理の努力により、良食味の一層の進展が進んでいる。食味ランキングは今回で51回目、152産地品種銘柄のエントリーがあり、食味試験をして結果を取りまとめた。大きく、今回は3つの特徴がある。一つ目は特Aが減って42銘柄になったこと。昨年は53銘柄で、そのうち4銘柄がエントリーしなかったので、実質的には49銘柄が42銘柄になった。二つ目は特Aの減少が地域別にみられること、福島は3つ減り、関東で5つ減っているが、北日本と西日本には大きな変化はなかった。三つ目は和歌山のきぬむすめが特Aを獲得したこと。これで、エントリーしていない東京・大阪・沖縄を除く全国すべての道府県が特Aを取得した」と挨拶した。

今回、地区等の変更は5産地銘柄で、△山形置賜はえぬき(前回は最上)、△山形最上つや姫(村山)、山形置賜雪若丸(庄内)、△広島コシヒカリ(広島北部)、広島あきさかり(広島北部)。前回特Aで今回エントリーしていないのは、地区変更によるものと熊本がエントリーをくまさんの力からくまさんの輝きに変更したことによる。

特Aの減少について伊藤理事長は、「減った地域を見ると福島から長野のエリアになる。いつも作柄との関係を聞かれるが、なかなか要因の全てを説明するのは難しい。ただ、特Aが減少したエリアで登熟期の天候が思わしくなかったケースがあり、天候の影響も考えられるが、断定は難しいと思う」とした。また、傾向として「きぬむすめ」の特A取得が5産地(前回は4産地)であることに触れ、「きぬむすめは温暖化に強いと聞いている。和歌山の初の特Aもきぬむすめだった」ことを指摘。井出会長も「今年はきぬむすめが躍進した」とコメントした。

〈資料〉令和3年産米の食味ランキング(日本穀物検定協会)

〈資料〉令和3年産米の食味ランキング(日本穀物検定協会)

〈資料〉令和3年産米の食味ランキング(日本穀物検定協会)

〈資料〉令和3年産米の食味ランキング(日本穀物検定協会)

〈米麦日報2022年3月3日付〉