「あらゆる食品が上がるなか、米だけが安いまま。なのに思ったほど需要が伸びない」と米の業界関係者が苦悩している一方、虎視眈々と「これだけ米が安いなら、何らかの形で活かせないだろうか」と考えている商品開発担当者(米業界に限らない)もいる現在。両者にとってステキな朗報がある。

予定では6月10日、「米を利用した新たな商品開発等の取組への支援」の事業者公募が始まるのだ。いわゆる50億円事業の予算4,900万円を活用したもので、内容は大きく、〈1〉“新規性”のある商品開発支援と、〈2〉新商品アイディアコンテストの2点。ちなみに、事務局は株式会社ぐるなびが務める。

〈1〉をさらに細分化すると、大まかに2つの要件がある。1つ目は「(その商品によって)米の需要拡大が見込めること」。2つ目は「事業実施者がこれまでに製造または販売を行っていない“新規性”のある米関連商品であること」。つまり、「需要を拡大してくれそうな目新しい商品大募集!」ということになる。なかなかによくばりだ。外部有識者から構成される審査委員会が判定し、採択されれば、そうした商品を開発する際の試作や調査、プロモーションなどにかかる諸々の経費を補助してもらえる。

ここで気になるのが“新規性”だ。農水省に直球で訊いてみると、まず、審査時に最も重視されるのは「米の需要拡大への貢献度合い」。ならば需要拡大のトップランナー的商品であるパックご飯を「うちはまだやっていないんで! とりあえずOEMで!」と申請すれば通りそうだが、「その事業者にとって新規性があるかどうかはあくまで最低限の要件なので、“市場において新規性が高い”かどうかも審査されます。例えばパックご飯の場合は既存の他社と競合しますから、必ずしも市場において新規性が高いとは限りません」とのことだった。

一方で、「新規性という意味では、加工品だけではなく、新しい食べ方を提案できるような外食メニューや惣菜、そもそも食品か非食品かも問わず、米の需要拡大に繋がるものであれば広く募集します」とも。資料には「※既に開発段階にあるが、市場においてマーケティングなどが未だ実施されていないものや、既に販売された商品を改良したものも可」とあるので、意外と門戸は広そうだ。色々あってお蔵入りになった商品やいまいち奮わなかった商品が、「米」という切り口によって日の目を見るかもしれない。ちなみに補助額は1件当たり100万~1,000万円(基本は定額補助)で、このメニューに充てられる予算は約3,000万円を見込んでいる。

また、〈2〉新商品アイディアコンテストは、「商品化・事業化のリソースは持たないがアイディアを有する者(学生など)」が、「需要を拡大してくれそうな目新しい」アイディアを競うコンテストだ。7月にもアイディアを募集し、9月頃にコンテストを開催。コンテスト後には、「お、このアイディアならうちでやれるな」というメーカーや外食事業者などを募集する。

米業界の関係者に限らず、製粉・精麦・二次加工などの方々にとっても要注目なこの事業。一度検討してみてはいかがでしょうか。

◆「米を利用した新たな商品開発等の取組への支援」特設サイト

〈米麦日報2022年6月6日付〉