〈コロナ禍で米の流通額は約2倍に、利用者が“いつ来ても楽しめる”展開に〉
産直通販サイト「食べチョク」(運営=(株)ビビッドガーデン、秋元里奈社長)は、シェフとコラボし8月14日まで東京・虎ノ門で期間限定レストラン「#リオレに夢中」を出店している。

場所は港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー3階 虎ノ門横丁内で、水曜日定休。この取り組みは同社が2021年9月に立ち上げた「米消費応援プログラム」の第2弾にあたるものだ。米の消費減少を食い止めるべく立ち上げ、「お米の魅力発信」と「新しい楽しみ方の提案」に取り組んでいる。

店名にもなっている「リオレ」は、フランスを中心としたヨーロッパでポピュラーなスイーツ。フランス語で「Riz au lait=牛乳風味のお米」という意味を持ち、牛乳に米を入れて甘く炊き上げ、冷やして食する。

広報の下村彩紀子氏によると、「ヨーロッパではパイナップルなどのフルーツやチョコレートといった味付きリオレもあり、日本でいうヨーグルトやプリンの感覚で小売店にも並んでいる」という。店舗ではイタリアンの料理人・関口幸秀氏の監修のもと、柑橘をきかせたベーシックなリオレを提供、4種類のソースをお好みで乗せて味変することもできる。米は石川県能美市の生産法人・(有)たけもと農場のジャポニカ米を使用している。
食べチョク広報・下村彩紀子氏

食べチョク広報・下村彩紀子氏

リオレとの出会いは、フランス在住のシェフ・神谷クレール真理氏からの紹介によるもので、「初めは社内でも『米と牛乳、本当に合うの!?』というリアクションだったが、食べてみると甘すぎず美味しかった」という。
 
そこでプログラム第1弾ではシェフからリオレのレシピを買い取り、米生産者にデータで送付。購入者に米を送る際にレシピを同封できるようにした。リオレによるPRのほかに、ポン菓子やライスバーガーなど米を使った加工品の紹介、新米特集などのページを設けた。下村氏は「米は特栽や減薬など栽培方法にこだわった生産者もいるが、最近は加工品にしたりパッケージにこだわったりと、高付加価値化に取り組む生産者が増えている」と話す。
 
食べチョクに登録している生産者数は2022年7月末時点で約7,500軒、そのうち米(穀類を含む)では約1,000軒を占める。流通額の割合としては、野菜・果物が各25%、肉・魚が各10%、米(穀類を含む)が4%だという。2019年2月時点での生産者は750人だったが、コロナ禍を機に一気に伸びた。
 
「特に飲食店に卸している生産者は休業によって出荷先が丸ごとなくなる事態だった。販路を多様化する動きが広まり、『個人販売が初めて』という生産者の割合も増えた」とする。2018年10月~2019年10月(コロナ前)と2020~2021年同期間の流通総額の比較では、+128%と大幅に増加した。米のみで見ると、2020年7月~2022年7月の間で、流通額は2.4倍になったとのことだ。下村氏は「行動制限が緩和されて外出ムードになるなど落ち着くこともあるが、買い物をする選択肢として徐々に増えつつある」とする。
 
数ある産直サイトのなかで認知度や利用率でナンバーワンを獲得し、圧倒的な存在感を示す「食べチョク」。今後の課題としては、約4.5万点ある商品のなかから、利用者が簡単に自分好みのものを見つけられるサービス作りを進める。現在も時間限定で登場する商品や生産者自らが発信するレシピを毎日掲載するなど、“飽きさせないページ作り”を意識している。
 
それでも商品に悩んでしまうという利用者向けには、嗜好や量に合わせて同社が生産者を厳選して送る野菜サブスク「食べチョクコンシェルジュ」や果物サブスク「食べチョクフルーツセレクト」を展開中だ。一方で、生産者サイドの課題としては、高齢者が利用しやすいサービスを目指す。操作画面の簡略化、売上やレビューをまとめたレポートの提供など、同社が強みとする「手厚いサポート」に引き続き取り組む。
 
〈米麦日報2022年8月4日付〉