6月の改正酒税法と新取引基準の施行は、酒類市場を大きく揺さぶった。

ビール類など大衆商品を中心に1割弱、店頭売価が上昇した。酒類メーカーでは異口同音に「想定以上の影響があった」と苦渋の声をあげている。

景気は拡大しているといわれるが、食料品はじめ値上げが広がるなか、実質賃金は減少しているのが実感だ。そこに、お酒の価格上昇はやはり痛かった。

あるメーカーでは「高価格帯から低価格帯にシフトしたというよりも、低価格ゾーン全体がそのまま沈んだ」とみる。量販店でのチラシ掲載回数は2割ほど減り、買い上げの頻度と店数がダウンした。

そういう中、ホームセンターやドラッグストアに消費がシフトしているとみる。同時に、コンビニで、帰宅後に飲む分だけ買うなど、購入が小ロット化しているとも指摘する。

こういった状況で、あるメーカーでは「量販店ではお酒を購入する方は、食料品の買上げ点数が多い。

スーパーの誘客効果となるような提案を心掛けている」「業務店では、例えば、最近顕著なジョッキのサイズダウンではなく、大きなジョッキで、適正な価格設定で提供する、というやり方もあるのではないか」と前向きに提案している。

お酒は嗜好品であり、安ければよいというものではない。魅力ある提案がチャンスにつながるはずだ。

〈食品産業新聞2017年11月9日付より〉