〈シグナル〉“大人向け”で新規需要開拓

早いもので今年も師走となり、なにかと慌ただしい今日この頃。朝晩の寒さも日ごと厳しくなってきたように思われる。

今年の立冬は11月7日だった。例年立冬を迎える頃になると気温が急激に下がりはじめ、ココアの需要が高まるという。そこで森永製菓では立冬を「ココアの日」とし、市場活性化に努めている。

昨年度の粉末ココア市場は、小売ベース173億円となり前年を3%程度上回ったと推計される。高カカオを特徴とした商品や純ココアが飛躍的に伸長し、市場をリード。過去5年、縮小傾向で推移していたココア市場に再び活気が戻ってきた。

カカオポリフェノールの健康への効用が広く浸透し、菓子分野において高カカオ商品がよく売れているが、ココアでも高カカオや甘さ控えめタイプがトレンドとなり、店頭で大人向け商品が存在感を増している。

従来、子ども向けの甘い飲料というイメージが強かったココアだが、大人向け商品の充実化により、30~40代の子育て世代に加え、50歳以上の中高年齢層がココアに高い関心を示すようになったことがココア市場再活性化の最大の要因だ。

ココアメーカー各社では、大寒(2018年は1月20日)に向け、高カカオなど健康軸の大人向け商品でさらなる新規需要層を開拓するとともに、日本人の嗜好に合った定番ミルクココアの需要を底上げし、ココア市場の持続的な成長を図る。

〈食品産業新聞2017年12月7日付より〉