冷凍食品は今、価値に見合った価格で販売されるような方向感が出てきた。

値上げが理解されやすい商品は、分かりやすい付加価値を伴ったリニューアル品だ。健康や新たな味わいを打ち出した商品は消費者に理解される。消費者はもともと、既存商品の価値をよく知っているから、改良品との距離は近く、利益のとれる商品には問屋を含めた流通の理解も早い。リニューアル品を上手に開発するメーカーの成績は良く、また、各社が調理技術の得意技を発揮し合う冷凍食品業界のこの間の成長もそれを裏付けている。

メーカーは単位価格の上昇につながる新商品やリニューアル品の開発に注力している。高齢化や世帯の少人数化に合わせた無駄の少ない小容量の商品や最近注目されている冷食の「おつまみ」も単位価格が高い。

量販店など流通はこれまで、メーカーの値上げ依頼はほぼ受け入れない対応を示してきた。今でも渋い顔はするが、「値上げ理由の聞き耳は持つ」に変わってきたという。人手不足による人件費や物流費の上昇はどの産業界も共通し、原材料の高騰やエネルギーコストに苦心していることなど、厳しい内情は分かっている。聞き耳があれば大きく前進。

また、人手不足の時代、小売店舗も人手をかけた売り方を少なくし、毎日の店舗作業が平準化できるローコストの店舗運営を追求している。関連して週末などの冷凍食品の全品割引は大幅に減っている。

〈食品産業新聞 2018年9月6日付より〉