TPP11が発効し、輸入麦のマークアップは、カナダ・オーストラリアは引き下げ、米国は現行と変わらないという非常にアンバランスな状態が生じている。直近では、2019年4月期麦価の改定算定が焦点になる。
 
もっとも、輸入麦の政府売渡価格の算定は、国際小麦相場、フレート(海上運賃)、為替の変動によって動くもので、そこに国が輸入差益として徴収するマークアップが乗る構造であり、マークアップの変動が麦価に与える影響は、それほど大きなものではないことも理解しておく必要がある。一般的に、TPP11協定に基づいたマークアップ引き下げは、初年度においては「5銘柄平均価格に対し、1%程度の下げ要素」でしかない。つまり、他の3要素が上げであれば、マークアップの変動分は吸収され、実際に公表される5銘柄平均価格には、それほど大きな影響を与えないものになる。そこで、2019年4月期麦価の算定を予測すると、昨年12月末時点までの国の調達価格(コスト)から見ると、5銘柄平均では2%程度の引き上げと試算できる。この伝でいけば、4月期麦価格は、現行価格とそう大きな差がないことになる計算だ。
 
TPP11協定によって、多くの小麦粉ユーザーには、小麦粉価格の下げ期待があったようだが、どうもそうはならないかもしれない。仕組みが変わる初年度は、静観も必要だろう。一喜一憂せずに発表を待ってほしい。
 
〈食品産業新聞 2019年1月24日号〉