年明け早々には収束すると思っていた方も多いのでは――。豚コレラのことだ。昨年9月に岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりに豚コレラ。当初は、県内の発生事で収束するかと、畜産・食肉業界では淡い期待があったが、今月5日には愛知・豊田市の養豚場に発生、そのから豚が移動した5府県市でも発生が確認され、14日現在、国内で9例目の発生が確認される事態となった。
 
救いなのは小売・流通はじめ食品業界が冷静に対応していることだ。確かに愛知県への飛び火は大きなインパクトだが、少なくとも、「〇〇県産の豚肉を扱っていません」などの不適切な表示や、発生県産であることのみを理由とした取引拒否などは聞こえてこない。
 
各地の食肉卸売市場の豚枝肉市況を見る限り、現状では目立った高騰や暴落などはみられない。食肉卸売事業者からも目立った変化はなく、冷静な取引が続いているという。過去食肉流通業界でには、福島県の原発事故も含めBSE、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの出来事が起こるたびに、納入先から「〇〇県産のものはいらない」と言われたことがあったという。今回の豚コレラの場合、そうした動きが表立って聞こえてこないのは、業界の正しい理解が流通業業界にも浸透したといえる。正直、豚コレラがいつ収束する予想し難い状況となっているが、疾病に対する正しい理解と冷静な対応、食品業界の力量が試されるといえるのではないか。
 
〈食品産業新聞 2019年2月18日号〉