共働きの増加を背景に、コンビニの成長、中食の進化、低価格な外食チェーンの増加などで、今後は家庭での調理が減り、やがて「作らない時代」が来ると、本紙新年号の業界展望で幾度となく書いてきた。
 
そういった世の流れに逆行し、中小スーパー200社以上が加盟するCGCグル―プは長年、「お料理する人、応援します」をテーマに取り組んでいる。素材販売がメーンのスーパーは、料理をする人がいなくなれば、商売あがったりだからだ。
 
CGCでは元小学校校長の竹下和男氏が推奨する「弁当の日」を支援し、子供のうちから自分で献立を考え、買い物をして弁当を作るという行為は、日本の食文化を守るためにも重要だという。
 
まったくその通りだが、人間が英知を絞って獲得してきた利便性。資本主義社会ではそれを追求し、顧客満足を獲得したところが生き残る。
 
やはり「作らない時代」が確実に来る。「お料理する人」は絶滅危惧種で、悲しいけれど、やがて滅びる運命なのだろうと思っていた。
 
しかし、このコロナ禍。巣ごもりで、やることがない多くの人が始めたのが「料理」。家飲みのつまみぐらい作れるようになったお父さんも多い。休校が長引き、ご飯を作ることに関心を持ち始めた子供も多いと聞く。 
 
「お料理する人」が見事に復活しつつある。行き過ぎた世の中に、揺り戻しが起こり、日本の食文化を守る下地ができつつある。世の中はよくできている。
 
〈食品産業新聞 2020年7月30日付より〉