2017年度税制改正で、ビール類3ジャンルは26年10月までに3段階かけて、350mlあたり54.25円に一本化されることが決まっていた。20年の10月は、その第1段階にあたるが、コロナ禍で話題がかき消されていたため、増税前の買い置きの動きが鈍いのではないかと、夏から指摘されていた。
 
しかし、蓋をあけてみれば、スーパー店頭での「10月より新ジャンル・ワインの酒税が上がります!」といったPOPを使っての大陳はすさまじく、各メーカーも24缶入りカートンにカレールーやサラダ油などをベタ付け、お値打ち感のある価格で各銘柄を揃えたことで、買い置き需要は9月中旬からうなぎのぼりに増えていた。
 
19年も10月1日に消費税増税があり、その前に仮需が発生したが、新ジャンルは前回が2%分の増税(350ml缶で約3円)の上昇幅に過ぎなかった。しかし今回は9.8円の酒税増税で、1缶約10円といってよい。24缶入りで200円以上の店頭価格上昇になることが予想され、そう考えると、もっと仮需が起きてもよかったというのが現場の手応えだ。
 
一方で、20年10月からは減税される「ビールの季節」だ。こちらは350mlあたり7円の減税。9月末の時点では、ビール6缶パックの最安値が消費税抜きで1020円ほど。つまり消費税抜きとはいえ、1000円を切る可能性が出てくる。パット見ということに過ぎないが、3桁でビールが買える、というのはかなり魅力的に映るだろう。
 
〈食品産業新聞 2020年10月1日付より〉