アルゼンチンと言えば、大豆・油脂担当の記者としてまず思いつくのは、世界第3位の大豆の生産国であることだ。ところが実は、オリーブ油の産地としても世界10位に入るということを知った。オリーブ油のイメージはほとんどなかったので意外だった。
 
その歴史を振り返ると、16世紀にスペインの移民によりオリーブの植栽が始まり、スペイン国王による栽培禁止命令が出たことでいったん衰退するも、1930年代に栽培が復活する。
 
しかし、60年代の「マルベックの奇跡」と呼ばれたワインブームを機に廉価な油へのシフトにより、再び衰退することになる。
 
だが、2000年代に入り、欧州よりも低コストであることや90年代からの補助金や税制優遇、最新技術の導入、合理的な集約農業などで、再度復活を遂げている。こういった紆余曲折を経て、目下の課題はスペイン産との価格競争とプレミアムブランド化だという。
 
輸入商社に話を聞くと、一般消費者の認知度はまだ低く、なかなか流通にも入り込めていないという。ただ、アラウコ種という同国が最も生産している差別化できる品種があるという。
 
また、昼夜の寒暖差が激しく、過酷な自然環境などの土地条件からオーガニック栽培に適しており、南半球に位置するため、スペインやイタリアよりも早い7〜8月に新物が入るなど、アピールできるところも多いという。
 
アルゼンチン産のオリーブ油に注目していきたい。
  
〈食品産業新聞 2021年11月29日付より〉