〈“高カカオ”や“ビーントゥバー”のヒットでチョコの用途や目的が多様化〉
日本におけるバレンタインは、用途や目的が多様化し“チョコを楽しむ日”としての色合いが強まっている。

高カカオ商品やビーントゥバー商品(カカオ豆の選定から自社で一貫して行う商品)のヒットを機にチョコ需要のすそ野が広がり、国産大手メーカーとチョコレート専門店中心に、カカオの産地や配合量にこだわった商品の選択肢が増え、自分好みのチョコを選んで日常に取り入れる人が増えている。また、ギフト市場は歳暮や中元が縮小するなか、カジュアルギフトは5年前から約13%増の9兆円規模へと拡大した。日ごろの感謝を伝え合う習慣が広がっていることは、義理チョコや友チョコ需要にとって追い風となる。

〈国民一人あたりの年間チョコ消費量は増加〉
日本チョコレート・ココア協会によると、国民一人あたりの年間チョコ消費量は、2010年の1.74kgから17年には2.16kgまで増加。カカオポリフェノールの効用が広く浸透し、日常的にチョコを食べる人が増えていることがうかがえる。このようにチョコがより身近な存在となってきたことで、バレンタイン需要もあらためて活性化している。

明治が15歳から74歳の男女2000人を対象に実施した「バレンタイン予測2019」では、チョコをあげると回答した女性(1186人)の予算総額は前年から5円増の4702円となった。

1人あたりの予算も「恋人」2814円(前年比422円増)や「自分」2059円(同67円増)、「配偶者」1737円(同128円増)と増加傾向。チョコの選択基準については、自分には「自分が好きなもの、食べてみたいもの」(49.1%)、女友達には「見た目がよいもの」(29.0%)、職場関係者には「価格が手ごろなもの」(50.0%)と幅広い。

こうした結果を踏まえ、同社ではブランドごとにターゲットを絞った販促を展開する。「明治ザ・チョコレート」では、アパレルブランド「ROPE PICNIC」とのコラボ商品を全国ROPE PICNIC店舗およびオンラインで販売。「チョコレート効果」は、大人向けの健康チョコギフトとして、「明治ミルクチョコレート」など定番の無垢チョコは手作り用として、それぞれ提案している。
「明治チョコレート効果」イベントでは“低GI”を強調(写真は熊田曜子さんとチョコレートプラネットの2人)

明治「チョコレート効果」イベントでは“低GI”を強調(写真は熊田曜子さんとお笑いコンビ“チョコレートプラネット”)

また、森永製菓では「森永ホットケーキミックス」と「ダース」を使った「友チョコ」レシピを提案し、ロッテはインスタグラムにおいて「#手作りチョコガーナ」キャンペーンを実施。

有楽製菓は、「今年のバレンタインは3年連続で平日にあたり、義理チョコ文化への賛否が飛び交うことが予想される」としたうえ、「義理チョコ文化を応援」をキャッチワードに、2月14日まで「ブラックサンダー 義理チョコショップ」を東京駅一番街「東京おかしランド」に開設し、話題を喚起する。
 
〈輸入は「国産にはない特別感」活かし義理チョコ需要獲得へ〉
一方、輸入チョコレートを取り扱う各社は、「手軽に買えて国産にはない特別感を出せる」という強みを活かし、義理チョコや友チョコ需要の獲得を狙う。店頭には「ハーシー」(アメリカ)や「フェレロロシェ」(イタリア)のほか、輸入食品専門店のPB品を中心とする小容量品や個包装アソートなど、義理チョコや友チョコ需要に対応した配りやすい商品が数多く並んでいる。
 
〈百貨店ではテイクアウトや会場限定品を強化〉
大手百貨店の西武池袋本店では、恒例の「チョコレートパラダイス2019」を開設。「当会場でしか手に入らない商品、体験できないことを強化した」(そごう・西武 西武池袋本店販売促進部、亀谷敏和氏)とし、近年好調のテイクアウトメニューを昨年より5種増やしたという。包装品は海外パティシエの限定品をはじめ、手頃な価格帯や小分けパッケージなど幅広い商品を取りそろえる。客層は10代~40代女性中心に、客単価は2000円~3000円を想定。前年比5%増の売り上げを計画している。
 
また、松屋銀座は「GINZAバレンタインワールド」を開催。今年は「テーマパーク」をテーマに、イートインや実演ブランドを増やすとともに日本初上陸や美容・健康志向品を充実させた。
 
〈食品産業新聞 2019年1月31日号〉