〈大袋チョコレート市場は5年以上連続で伸長〉
一般流通の菓子市場においては、「健康志向」や「自分へのご褒美」が長らくキーワードとなってきたが、これに加えて「大袋」と「パウチ」の包装形態がトレンドとなっている。

近年は買い手の価格受容性が高まり、高カカオ系の小箱入りチョコレート中心に、250円から350円程度の個食タイプとしては高価格帯の商品がよく売れていた。これらの商品は、カカオ豆から製品化まで一貫して行う「BEAN to BAR」や健康軸の機能価値が世代や性別を超えて広く認められ、多くのリピーターを生んだ。このリピーターがヘビーユーザー化し、ユニットプライスの安い大袋商品へ流れている。大袋チョコレートの市場規模は、少なくとも過去5年連続で伸びているもよう。

明治の推計では2018年の大袋チョコレート市場は1460憶円(小売ベース)に達し、14年比で約230億円拡大、チョコレート全体の約3割を占める。大手量販店や食品スーパーの陳列にも変化が生じ、チョコレート定番売場の半分を大袋商品が占める店舗も少なくない。大袋イコール徳用、特売のイメージは薄れ、いまや絶対価格の高い利益を生む商材となってきた。

チョコレート喫食の習慣化に取り組む明治。カカオから健康を考えた小箱入り「チョコレート効果」シリーズの好調をうけ、売れ筋のカカオ72%を45枚入りの大袋商品として昨年発売した。小箱チョコを導線とした大袋展開の成功例だ。

一方で、既存品の見せ方を変えることで成功を収めているのが不二家。同社はロングセラーの大袋商品「アーモンドチョコレート」や「ハートチョコレート  ピーナッツ」などにおいて、2017年から新たにアーモンドやピーナッツの栄養成分と“毎日イキイキ”のキャッチコピーをパッケージ上に載せ、健康感を訴求することにより店頭での回転率を向上させた。

今年のバレンタイン商戦で、一般流通のチョコレートは2年続けて苦戦を強いられた。手作り需要の減少が主な要因と考えられるが、バレンタインの在り方が多様化してきたことが大きく影響している。バレンタインにおけるチョコレートの需要減少は気がかりだが、大袋チョコレートの増勢からはチョコレートの喫食頻度が高まっていることを感じ取ることができ、中長期的にみて市場の成長が見込まれる。
 
〈コンビニ中心にパウチ包装の菓子が増加〉

また、大袋商品の対極に位置するともいえる小容量のパウチ包装品が増え、コンビニエンスストア中心に配荷を伸ばしている。チョコレートに限らずビスケットやスナック、ガム、キャンデーなど、さまざまなカテゴリーでパウチ包装品が商品化されている。

今春は、森永製菓が2012年から展開しているソフトキャンデー「ハイチュウミニ」に新たな包装形態として、持ち運びに便利な小袋リクローズパウチを取り入れた。また、ロッテはチョコレートに加えてガムでもパウチ形態を採用。「キシリトール ミックスベリー」「ACUOクリアショット」「記憶力を維持するガム」の3品を4月23日に各184円で発売した。

パウチ包装品は、小容量だが一度に食べきるよりもバッグに入れて持ち運ぶことを想定し、リクローズ機能が付いているものが多い。持ち運びに便利なパウチ包装品の価値が認められ、小容量ながら高単価で展開できるのが強みだ。