檜前慶一・昭和産業常務取締役に聞く-春の食用油特集③

–14年度の食用油市場を振り返るといかがですか

家庭用油は消費増税の駆け込み需要の反動で4月は大きな影響があったが、5月以降は徐々に回復した。

その中で原料コストに見合った適正価格化を図るため、5月に価格改定を発表した。しかし、米国大豆の豊作観測などでシカゴ大豆相場が軟化し始め、それと連動するような形で市場に先安観が広がり、さらに夏場の天候不順も影響したこともあり、残念ながら価格改定は、市場の理解は得られなかった。

下期には11月から急激に円安が進み、社内に危機感が広がった。第4四半期以降の収益を見通した場合、これは非常に厳しいということが明らかになり、1月からのキロ20円以上・斗缶300円以上の価格改定の実施を決めた。

現在の進捗は、業務用油は3月までに斗缶で200円程度は上がっている。家庭用油も特売回数が減少するなど、少しずつ上がってきている。ただ、これではまだ収益は厳しく、4月からはキロ30円以上・斗缶500円以上の価格改定を実施している。(詳細は本紙にて)