消費者庁は18日、第7回遺伝子組み換え(GMO)表示検討会を開催し、「GMO不分別表示の検討」、「Non-GM表示をするための要件の検討」の2つの論点について議論した。

「GMO不分別表示の検討」については、事務局から、「現状ではGM農産物、Non-GM農産物が分別されていない旨が義務表示であり、不分別は任意表示となっている」と説明、座長を務める湯川剛一郎・東京海洋大学教授は「不分別という言葉について議論するが、制度上は分かりやすい表現の工夫の余地はある」と述べた。

澤木佐重子・全国消費者生活相談員協会代表は「不分別はNon-GMOが含まれている可能性の旨を表示した方が良い」と述べた。江口法生・日本スーパーマーケット協会事務局長は「不分別は分かりにくい。説明文は1つの方法だが、表示スペースが限られる」とした。

これを受けて湯川座長は「現状では自由度の高い表示ができる。例としては不分別しか示されていない。言葉の周知を進めるとともに、分かりやすい表現について意見を吸い上げることが必要になる。最終案をまとめ、再度制度全体で議論したい」とまとめた。

〈混入率引き下げの有無は両論まとまらず、次回会合で再度議論に〉
続いて、「Non-GM表示をするための要件の検討」ついては、Non-GM表示が可能となる混入率の引き下げの有無と、引き下げた場合の表示について議論した。

前提となるGMOの分析法について、国立医薬品食品衛生研究所の中村公亮室長が説明した。現在の分析法では、組み換え遺伝子が複数あると、それぞれに反応してしまうとした。また今後新たな特性を持つGMOが登場した時に、現状のスクリーニング検査では対応できなくなる可能性を示唆した。

さらに混入率を引き下げた場合の検査サンプル量の増加も危惧した。検査法によって現行の5%と比べ、仮に1%に引き下げた場合は3~10倍のサンプル量が必要になるとした。

そのため、分析現場での実行可能性と、健康被害のリスクを考える必要があるとした。さらには検査の高感度化が必要となった場合は設備にコストがかかることを指摘した。

次いで審議に移り、意図せざる混入率を5%とする現行基準については、武石徹・食品産業センター企画調査部長は「引き下げはコスト面からみても難しい。輸入事情も加味すると、引下げは難しい」とした。

松岡萬里野・全国地域婦人団体連絡協議会幹事は「0%に近づけるべき。入っているか入っていないかは分かるはず。消費者は、Non-GMO表示は入っていないと思う。Non-GMO表示は5%以下で認められるのは誤解を招く。実体に近い表示を希望する」と述べた、

神林幸宏・全農食品品質表示管理コンプライアンス部長は「消費者に正しい情報提供をするならば、Non-GMO表示は混入率をゼロにする必要がある。しかし分別流通をやっている事業者は救済が必要になる。輸入実態を考え5%はさわらないほうが良い」と述べた。

江口事務局長は「現実的な対応として、5%はいじらない方はよい。事業者はコストをかけてIPハンドリングをやっていても意図せざる混入はある。この努力を無にすることは厳しい。認められなければ、不分別になってしまう」とした。

湯川座長は「意図せざる混入率については、引き下げるべきという意見と、5%は妥当という意見の双方あった。委員会としてまとめるのは難しい。また、Non-GMO表示についても、厳しくすべきとの意見は多かったが、一方で厳しくすると、Non-GMO表示が実質的にできなくなるという意見もあった。また、混入率を引き下げる場合(具体的な引き下げ数値の)空白地帯の議論は煮詰まらず、問題点は残っている。今回まで議論をまとめ、全体を見た上で、来月の会合で議論を進めていきたい」とまとめた。

〈大豆油糧日報2017年12月20日付より〉