2017年のみそ業界は、生産量・出荷量ともに前年並みで着地しそうだ。塩こうじから糀、発酵食品とトレンドが広がり、和食文化を推進する動きも重なって、みそ業界にとっては追い風が吹いている。

みそのトレンドは、健康志向の高まりから、減塩、無添加商品が数多く発売されている。低塩分でありながらうま味やコクがあり、満足感の高い商品が売れているようだ。麹割合を高め、うま味を強調したみそが今後も継続して市場へ投入され、売れ筋の主流になっていくのではないだろうか。

しかし、それに飽きた消費者も出てくるはず。次にくるトレンドは何か。それは「鮮度」ではないか。

マルサンアイは17年8月29日、日本初の鮮度ボトルみそ「香りつづくとろける味噌」を発表した。その後の売れ行きも好調で、「鮮度」が消費者の心に響くワードだったことが分かる。片手で簡単に調理でき、手軽に使えることから、同社の渡辺邦康社長も「時短、簡単、新鮮と3拍子そろった自信のある新製品を発売できた。これからはいろいろな食べ方の提案もしていきたい」と意気込んでいる。容器は二重構造ボトルで、やわらかく、持ちやすい形状と、液だれしにくい逆止弁構造キャップを採用している。みそが空気に触れないため、色・味・風味の変化を抑え、最後の一滴まで、だしやみそのおいしい風味が味わえるという。

しょうゆ業界では、「鮮度」ボトルがヒットした。みそ業界もこの流れに乗ることが出来れば、大手メーカーも追随し、新しいマーケットが形成される可能性も秘めている。

〈業界の存続を考えた販売戦略が必要に、地域イベント参加や日常レシピの提案を〉
個別ブランド・商品の売れ筋は、マルコメの「料亭の味」、「丸の内タニタ食堂の減塩みそ」が好調に推移している。次いで、マルコメの「プラス糀 無添加 糀美人」も世界的なファッションモデル、ミランダ・カーさんをイメージキャラクターに起用した効果もあり、好調な売れ行きとしている。
業界の存続を考えた販売戦略が必要に、地域イベント参加や日常レシピの提案を

ハナマルキは国立循環器病研究センター「かるしお」認定を受けた「かるしお 無添加減塩」を投入、ひかり味噌は「50%減塩みそ」など発売し、健康志向の高まりに対応した品ぞろえの強化が近年続いている。

一方で、「みそ=塩分が高い」という概念は既に、違うということが証明されている。即席麺などに比べれば、みそ汁の塩分は5分の1にしか過ぎない。その事実をもっと公にPRすることができれば、中堅メーカーも胸を張って、塩味の強い昔ながらのみそを販売することができる。

市場ニーズだけに振り回されるのではなく、みそ業界そのものの存続を考えた販売戦略を強力に推し進める必要があるだろう。

中堅メーカーでは、根強い昔からのユーザー層に加え、発酵食品ブームや本物志向を背景に、高価格帯のみそが好調に推移しているようだ。逆に、値頃感のある商品の売れ行きは今ひとつで、特売頻度も抑えている中堅メーカーが多い。中堅メーカーは必ずしも毎年新商品を投入できるわけではなく、ロングセラー商品を育て、リピーターを多く集めなければならない。そのためにも、地域に根ざしたイベントへの積極参加や、みそを使った、日常的に調理が可能なレシピ提案などに取り組むべきだろう。

〈大豆油糧日報2017年12月25日付より〉