〈トラブル対応の事業者の取り組み、現行規定の整理など論点に〉
消費者委員会はこのほど、「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会」の第5回会合を開き、オンラインプラットフォーム取引の利用状況やトラブル発生状況などを把握するために実施したネット調査を公表すると共に、論点を整理した。調査ではトラブル経験者が3割近くに達していることなどが報告され、論点については、事業者ヒアリングなども踏まえ、トラブル対応の事業者の取り組みや、現行規定を整理した上で、消費者に資するルール・仕組みのあり方を検討することとした。

調査は今年7月、一般消費者10~70代の男女1,000人を対象に行われた。これによると、過去1年で各サービス(モールサイト、オークション・フリマ、シェアリングサービス)のいずれかを利用したことがあると回答した人は80%を超える、868人だった。このうち、モールサイトの利用は88.9%(772人)と、他のサービスよりも高い割合となった。オークション・フリマは32.1%(279人)、シェアリングサービスは4.7%(41人)に留まっているが、10代・20代の若い世代の利用は多い傾向にあった。

各サービス利用時における、利用規約の参照状況は、「読んでいない(利用規約を読んだことにして同意した場合を含む)」と回答した人は、モールサイト利用者で36.5%、オークション・フリマでの購入者で37.5%、オークション・フリマでの出品者で37.9%と、高い割合となった。一方、シェアリングサービス利用者は、「毎回利用規約を読む」が31.7%、「ほぼ毎回利用規約を読む」が19.5%と、他のサービス利用者に比べて、利用規約をしっかり読む傾向にあった。

利用規約を読まない理由(複数回答)を聞くと、各サービスとも、「読むのがめんどくさい」「細かな文字の羅列で読みにくい」と回答した人の割合が高かった。

各サービスを利用する際に不安に感じること(複数回答)については、各サービスとも、「特に不安を感じることはない」と回答した人の割合が最も高かった。しかし、各サービス(オークション・フリマ出品除く)とも「商品やサービスの説明文が分かりにくい」「商品やサービスに関連する写真や図表が分かりにくい」「支払いや代金決済でのトラブルが生じないか」との回答割合も比較的高かった。

トラブルの経験の有無(複数回答)は、各サービスとも「トラブルの経験はない」と回答した人が7割強となった。何らかのトラブルを経験した人は、モールサイトで28.2%、オークション・フリマでの購入で28.7%、オークション・フリマでの販売で24.2%、シェアリングサービスで29.3%と、25%から30%近くに達した。トラブル内容は、「商品やサービスの品質に関するトラブル」「配送に関するトラブル」と答えた人が多かった。

〈事業者の特徴に応じた相談内容、利用者・事業者間の役割分担も検討〉
続いて、中田邦博座長(龍谷大学法学部教授)が今後の論点案を提案し、審議の結果、次のとおり整理した。

〈1〉オンラインプラットフォームが介在する取引における消費者トラブルの状況と、オンラインプラットフォーム事業者の特徴に応じた相談内容、消費者トラブルに対応する事業者の取り組み(規約や決済システムなど)の整理。

〈2〉現行の規定などの整理のため、消費者保護ルール(民法、特定商取引法、消費者契約法など)、関連法令や規定(提供するサービスなどに関わる業法、ガイドライン、電子商取引・情報財取引などに関する準則)がどのように当てはまるか、海外の動向を検討・調査。

〈3〉行政や消費者団体、事業者団体の対応を検討した上で、利用者、事業者などにおける役割分担の考え方を整理。

〈4〉今後望まれるオンラインプラットフォーム取引におけるルール、仕組みの在り方として、基本的なニーズ・視点を整理し、具体的なルール・仕組みの在り方の検討。

〈大豆油糧日報 2018年8月1日付より〉