――今年度上期を振り返るといかがですか。

一つは、大豆油と菜種油の搾油コストの格差が大きく広がった状況ではあったが、昨年浸透した改定価格の水準を維持できたことが、収益面で大きかった。

シカゴ大豆相場がゆるやかに下落していくのに対して、大豆ミール需要は底堅いものがあり、ミールバリューは高く、大豆油の採算は比較的良好に推移した。一方で菜種油は、菜種相場が高止まりする中、菜種ミールと大豆ミールとの関係もあり、搾油コストは高止まりで推移している。当社が販売する食用油の中で、菜種油の構成比は高く、収益が悪化する懸念もあったが、何とか踏ん張って価格を維持できたことで、利益を確保することができた。

もう一つは、家庭用油・業務用油共に販売施策が奏功し、全体市場を上回る実績を上げられたことが、収益に貢献した。

家庭用油では、当社は「かけるオイル」と銘打って、「鮮度のオイル」シリーズを中心に、食用油をさまざまな料理に調味料のようにそのままかける、生食用途の提案に取り組んでいるが、これが定着しつつあり、さらなる拡大を図っている。

中でもごま油は近年、購入経験率が7割まで上昇している。使用シーンを調べてみると、ごま油はかける、あえるといった生食での使い方が広がっており、そのことが購入経験率の上昇の背景にあると考えている。さらにアマニ油やマカダミアナッツオイルなども、それぞれの特長が評価され、生食中心に用途が拡大している。食用油はもともと調味料分野の食品だが、ようやく調味料的な使い方が普及し始めたと考えている。

そうした取り組みにより、当社の家庭用油実績としては、頻発した自然災害の影響を受けたものの、オリーブ油、ごま油、サプリ的オイルなどが好調に推移したことで、市場平均の伸び率を上回ることができたと考えている。

〈「吸油が少ないフライオイル」など機能性油で新規開拓、中食市場で高い評価〉
――業務用油市場での取り組みはいかがですか。


業務用油では、外食市場、中食市場共に引き続き堅調な中で、酸価と着色を抑えて長く使えるだけではなく、サクミ感の維持にも優れている「日清スーパーロング」シリーズが徐々に拡大している。

また、独自製法により揚げ物の吸油量を抑制する「日清吸油が少ないフライオイル」などの機能性油が主に中食市場で評価され、新規開拓に寄与している。

こうした機能性油の評価が高まっていること以上に、ユーザーニーズに応えるため、技術面からの提案営業を担うユーザーサポートセンターと営業が一体となった取り組みが、大きく寄与している。当社ではこうした取り組みを「ニーズ協働発掘型営業」と呼称し、推進してきたが、これによりお客様との信頼関係も深まっており、お客様の課題解決のスピードも早まってきている。営業も成功体験を積み重ねるにつれて、自信を深めているのではないか。

西日本にも今春、ユーザーサポートセンターの機能を設けており、「ニーズ協働発掘型営業」をこれからも広げていきたい。

〈家庭用「かけるオイル」提案を下期も継続、コラボ共同販促を積極的に〉
――下期の方針を挙げて下さい。


搾油コスト環境を見通した場合、大豆油と菜種油の格差がさらに広がることがあり得る。当社で販売している食用油はキャノーラ油の構成比が高いだけに、要注意だ。搾油用ごまの相場も上昇基調にあることも含めて、コストアップが一度に押し寄せると厳しくなる。

汎用油における「日清ヘルシーオフ」などの構成を高める取り組みなどを加速していきたい。

他方で、食用油需要自体は堅調であり、家庭用では「かけるオイル」の提案などを下期も継続し、来年度も見据えながら、これまでの取り組みのベースを上げていきたい。また、今秋新発売の「日清味つけごま香油」2品も配荷は順調であり、育成を図っていきたい。

さらには、カゴメ様の生鮮トマトやトマト加工品と当社のオリーブ油との共同販促も上期に成果を上げており、下期も継続する。メニュー提案は1社でやるよりは複数社で取り組んだ方が、効果は上がると考えており、来年度も他社とのコラボレーションを積極的に行っていきたい。

〈大豆油糧日報 2018年11月30日付より〉