東京油問屋市場は17日、18年大納会を都内で開いたが、今年一年の安定した油価を象徴するように、全油種同事で終った。これにより18年は、大豆油上値3,900円、菜種油上値4,400円、菜種白絞油3,900円で、いずれも前年並みのまま越年となる。

大納会の立会にあたり、金田雅律・建値委員長(マスキチ社長)があいさつし、「今年は多くの異常気象・自然災害に見舞われた一年だったが、油脂の相場は非常に穏やかな一年だった。こんなに相場が動かない年は、ちょっと記憶に無い。米国大豆の豊作が続く中で、原料相場は安定し、為替もそれほど大きな変動は無く、その意味では安定した一年だった」と、振り返った。

〈適正価格による油脂の安定供給と時代の要請に応えていくことが課題〉
立会終了後の懇親会では始めに、館野洋一郎・東京油問屋市場理事長(タテノコーポレーション社長)があいさつし、「今年は自然災害が本当に多く、想定外のことも想定しなければいけない時代にきているのかも知れない。油脂・食品業界においても、自然災害に限らず、想定外の事態にどう準備をしていくのか考えていく必要があるだろう」と述べた。

続けて「他方で『GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)』などと呼ばれるネットビジネスにより、ライフスタイルが転換する時期にあるとさまざまな場面で感じている。問屋不要論などと言われて既に久しいが、消費者の行動様式が大きく変わっていく中で、本当に価値のあるモノを模索する動きに対応するビジネスが求められているのではないか。生活必需品としての油脂を、適正価格で安定供給しながら、時代の要請に応えていくという、難しい課題に対して、取り組んでいかなければならないと感じている。来年も愛知・関西の同業の仲間と共に、新しい価値をしっかりと作っていきたい」と述べた。

続いて来ひんとして、J-オイルミルズの善当勝夫・取締役兼専務執行役員があいさつし、「今年は油相場が安定した一年だった。ただ、思えば2018年は年初から大変厳しいスタートだった。社内報での年頭所感では『年が越せない、大晦日を迎える気になれない』という書き出しで、原稿を書いたことを覚えている。1~3月で何としても価格改定を実現し、新年度を迎えたいという『檄文』のようなものを書かせていただいた。来年の年頭所感は穏やかな書き出しにしたいが、決して緩んでいるわけではなく、油価によって業績が左右される所から抜け出して、安定的な成長と健全な業界を目指して、プレミアム油・付加価値商品の拡販・啓発に各社取り組んでいる」と述べた。
J-オイルミルズ 善当勝夫取締役兼専務執行役員

J-オイルミルズ 善当勝夫取締役兼専務執行役員

さらに来年については「改元や消費増税など、すべての業界がさまざまな施策やオペレーションへの対応に追われる一年となることが予想される。お客様への安定供給を果たしながら、製販配で一緒に乗り越えていきたい」と述べた。
 
最後に、宇田川公喜・全国油脂販売業者連合会(宇田川商店社長)が乾杯の音頭を取り、新年の油脂業界の発展を祈念して、杯を挙げた。
 
〈大豆油糧日報 2018年12月19日付より〉