18年のみそ業界は、全国味噌工業協同組合連合会(全味)がまとめた生産量・出荷量の集計によると、1月~10月の生産量は0.6%増の33万2,752t、出荷量は1.0%減の32万4,998tとなっており、出荷量が若干前年を下回って推移している。

大手みそメーカーは、好調を維持している。「麹のうま味」をキーワードに、麹割合の高いみその販売が好調のようだ。

KSP-POSの売上ランキングによれば、マルコメの「味の料亭」シリーズは独走態勢、ひかり味噌の「無添加円熟こうじみそ」も快調で、ハナマルキの「風味一番 だし入り」も売上トップ10内に入っている。大分県のフンドーキン醤油の麦みそは順位を上げてきており、仙台味噌醤油や日本海味噌醤油などの製品も上位に食い込んでいることから、信州みそだけでなく、地方のみその健闘も伺える。
みそ出荷量の推移(全国味噌工業協同組合連合会)

マルサンアイの鮮度ボトルは、これまでにない差別化要因「鮮度」を提案し、ヒット商品となっている。17年9月発売の第一弾「香りつづくとろける味噌」の発売来、順次ラインアップを拡充。全国のスーパーのほか、コンビニでも採用され、前期(18年9月期)の売上高は1億6,900万円となった。
 
みそ業界初の鮮度ボトルを採用した液状みそで、開封後90日間常温で鮮度を保てる点が画期的と評価された。片手で簡単に調理できるため、みそ汁だけでなく、料理用途にも便利。みそ市場が年々減少傾向にある中、時短、簡単、新鮮と3拍子そろった同シリーズを展開することで、伝統食品のみその活性化に寄与している。
 
〈減塩・無添加、コク・うま味の次はこれまでにない「だし」との組み合わせに期待〉
これまでのトレンドだった「減塩・無添加」という差別化が一般化し、その次に登場した「うま味」が、みそのトレンドとなっているが、それも飽和な状態となっている。
 
そのタイミングで、味の素が「うちのみそ汁」応援プロジェクトを打ちだし、にんべんも「日本橋だし場」で、だしの魅力を強力に訴求している。同プロジェクトは、みそ汁を月1回以上自分で作る(即席みそ汁除く)全国20~69歳の男女1万人を対象としたネットアンケート調査を基に、地域ごとに異なるみそ汁のおいしさを伝える活動として、47都道府県それぞれの「地元応援みそ汁」を決定し、その土地ならではの魅力が詰まったレシピを、11月から順次プロジェクトサイトで公開し、店頭でも伝えている。
 
これにより、次のトレンドは、「みそとだし」の両方の業界が手を取り合うことで起きる大きな相乗効果を狙いたい。
 
また、これまでの概念にはない素材をだしの素材にもってくるような提案も期待できる。
 
19年のみそのトレンドは、みそとだしとのコラボレーションに期待して、消費者の心を喜ばせてほしい。
 
その兆候は、昨年末の各社の新製品からも伺われた。マルコメは「だし入り 料亭の味 あごだし」を投入。ハナマルキは、炭火であぶった焼きあごを使用した「からだに嬉しい 焼きあごだしのおみそ汁5食」を投入した。甘みのある独特のうま味が味わえ、魚由来の健康成分であるDHA・EPA を1杯当り60mg 配合しており、健康機能性をうたうこともできる。これからは、「あごだし」のように、目新しさのあるだしを起用して差別化を図るトレンドがくる。珍しくて、みそ汁をおいしくするだしの提案が、19年のヒット商品を占う上で、最も重要になってくるのではないだろうか。
 
〈大豆油糧日報 2018年12月25日付より〉