〈2017年まで5年連続の2ケタ伸長、2018~2019年も継続の見込み〉
プロテイン市場が活況だ。トップブランド「ザバス」を展開する明治によると、最大カテゴリーである粉末・顆粒をはじめ、ゼリー、バー、飲料まで含めたトータルの市場規模は、2013年以降毎年2ケタ増で拡大しており、2017年実績は360億円を突破した。さらに2018年は13.9%増の411億4,300万円、2019年は16.7%増の480億円と、これまで以上に急拡大する見込みだという。

かつては筋骨隆々のボディビルダーや、プロのアスリートが利用するというイメージが強かったが、必要な栄養素という認識が進み、スポーツ人口の増加による一般への普及、ダイエットに取り組む女性やタンパク質の不足しがちな高齢者の購入も増え、間口の拡大が底上げにつながっている。プロテイン先進国の米国の市場規模に比べると、まだまだ伸長する可能性があり、女性や高齢者への訴求がさらなる成長へのカギとなるとみられる。

市場をけん引しているのは、飲料やバーなど手軽に摂取できる商品だ。主流だった大容量の粉末タイプは、スポーツショップなど売場も限られていたが、いまや販路は広がっており、特に飲料は食品スーパー(SM)やコンビニエンスストア(CVS)にも並ぶ身近な存在となっている。大手CVSチェーンでは先日開かれ発表会で、都市部のオフィス立地に近い店舗では、チルド売り場のプロテインを含む乳飲料カテゴリーを拡大する考えを示した。

大手食品卸も力を入れている。伊藤忠食品は9月2日、オリジナル健康食品ブランド「からだスイッチ」シリーズで、小容量のプロテイン飲料「プロテインショット100ml」を投入した。ヨーグルト味で飲みやすく、手軽に摂取できるのが特徴で、「運動量の多い若年層に加え、高齢者層もターゲットにしている」(同社)。

市場平均以上に伸びているプロテインメーカーの役員は、「6,000~6,500億円市場の米国でさえ、この先10~15年はまだ伸びると米国のシンクタンクが予測している。日本はその10分の1の規模もない。シニア層や健康志向の人が増えることで、マーケットは必ず拡大する」と期待を寄せる。

糖質カットと健康志向を伸びの一因に挙げており、「フィットネスマーケットが伸びると、糖質をカットして、たん白質を摂ることが推奨される。高齢者のたん白質不足が指摘され、シニアの購入者も増えて裾野は広がっている。プロテインという言葉は筋肉増強のための薬のようなイメージだったが、必要な栄養素で肉よりも圧倒的に摂りやすい。栄養補助食品として広がるだろう」と見通す。

〈大豆由来のソイプロテイン、ダイエット食品としても今後伸長見込み〉
プロテインは大きく、乳由来のホエイプロテインと、大豆由来のソイプロテインに大別されるが、国内ではホエイプロテインが8~9割を占めると推定される。「ソイプロテインが先に登場したが、青臭さやザラつきが敬遠され、口当たりがよく飲みやすい、吸収されやすいホエイプロテインが主流となっていった」(プロテインメーカー)という経緯がある。米国でも乳由来のホエイ比率が高いが、最近は大豆やえんどう豆など由来の植物性が伸びているという。

日本においても、健康志向による納豆や豆乳などの大豆加工品の伸びや、ヴィーガンへの注目度の高まりから、今後は大豆由来のソイプロテインの伸長も見込めそうだ。

1978年に純国産のプロテインメーカーとして、日本初となる100%ソイプロテインを発売した健康体力研究所(東京都文京区)は、「数十年前に比べてソイプロテインの味も向上している。味付けも各メーカー巧みになっている。実際に当社で売れているのはソイプロテインだ。ダイエットプロテインという商品の切り込み方も関係しているのではないか」と分析する。

自社工場を持ち、乳酸菌を加えた独自商品や、ソイにホエイを混ぜた珍しいプロテインを発売しているアルプロン(東京都港区)も、「ソイはホエイよりも腹持ちがいいことから、アピール方法を変えると、食事の代わりに摂取するダイエット食品には使われやすい」と利点を挙げる。菓子感覚で食べられる固形タイプのソイプロテインも新商品として投入する予定だという。