昭和産業がボーソー油脂をTOBで完全子会社化、米油事業に親和性と将来性

昭和産業は5月14日開いた取締役会で、東証2部上場の米油メーカー・ボーソー油脂(東京都中央区)の普通株式の公開買い付け(TOB)を行い、完全子会社化を目指すことを決議した。買い付け価格は1株1,080円、買い付け代金は約16億円を見込んでおり、買い付け期間は5月18日から7月13日までとしている。ボーソー油脂もTOBに同日賛同を表明しており、TOB終了後は上場廃止となる見込み。

基盤事業の強化、事業領域の拡大を図っている昭和産業は、国産原料による米油とその副産物の脱脂米ぬかを製造するボーソー油脂の事業は、親和性と将来性があり、完全子会社化により企業価値向上に資すると判断した。

ボーソー油脂は食用油市場での競争激化が続く中で、17年6月に菜種搾油の廃止など事業の抜本的見直しに着手したが、17・18年度と2期連続で赤字決算を余儀なくされ、19年度も赤字決算が予想される中で、事業継続の確保が急務となっていた。

ボーソー油脂は戦略的パートナーと資本業務提携を行うことも選択肢に、18年10月中旬から候補選びを開始し、昭和産業を含む2社を候補とした資本業務提携に係る具体的な検討、協議を進めてきたという。

昭和産業は同時期に、生産設備の活用や米油OEM生産などの業務上の協業を含む業務提携などの意向がある旨の打診を受け検討に入り、その後も両社間で協議を継続的に進めてきた。最終的には今年4月上旬、資本業務提携や連結子会社化ではなく、完全子会社化が必要であるとの結論に至ったとしている。

〈大豆油糧日報2020年5月18日付〉