納豆は、今年1月の国立がん研究センターによる、日常的に納豆を食べる人は死亡リスクが低減するとの調査結果発表に続き、新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化し始めた2月以降、免疫力向上につながる期待感や、子どもの休校時にも役立つ即食の特徴から需要に拍車がかかった。

総務省・家計調査の納豆支出(今年1~3月累計)を見ても、前期比9.8%増と需要の高まりを明確に反映している。アフターコロナを見据えた需要の維持には、納豆メーカー各社がこれまでも地道に取り組んできたレシピ提案はもちろん、外食店での納豆メニュー導入の動き、派生商品の活発化が一翼を担いそうだ。

大手外食チェーンでも、納豆人気に着目し、メニューに取り入れるケースが増えている。

今年3月末時点で382店舗を展開する定食レストラン「やよい軒」では、従来から朝の時間帯に定食「朝食納豆」を販売していたが、4月からは期間限定で、納豆などの素材を混ぜ合わせた「ねばねばごはんととり天の定食」(890円・税込、以下同)や「ねばとろ小鉢」(490円)といった、納豆をランチやおつまみとしても楽しめるメニューを展開中だ。

王道のご飯にかける以外の食べ方もすっかり定着しているもようだ。讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」は、納豆を含む3種から具材を選んで、気分でうどんを楽しめる「とろ玉フェア」を実施している。

納豆かけ専門店で、夜は納豆創作料理店として営業する「※710」(大阪市)はこのほど、ディナーメニューとして、「納豆天ぷら」(450円)といったおつまみメニューから、納豆の「デザート春巻き」など、全15種を展開開始したという。

〈納豆チョコなど派生商品の投入も活性化、トライヤル取り込む可能性〉
大豆を使った商品開発などを行う、そのもの株式会社(福岡)は、同社が販売する「おつまみ納豆」と、福岡の名店「チョコレートショップ」とのコラボ商品「納豆ショコラZERO」を、6月から「チョコレートショップ」本店などで販売スタートする。「おつまみ納豆」のサクっとした食感と納豆独特の風味がチョコレートのコクとマッチするのだという。「おつまみ納豆」は、佐賀県産フクユタカを使って、老舗の納豆製造事業者で製造したのち、フリーズドライ製法で仕上げている。同社は、「納豆とチョコの発酵食品の組み合わせで、腸内環境を整える期待もある」としている。
そのもの「納豆ショコラZERO」

そのもの「納豆ショコラZERO」

 
派生商品は、これまで納豆を苦手としていた人も取り込む期待感もある。Shonan Soy Studio(神奈川県大磯町)は、納豆の粘り気や香りが苦手な人も食べやすい、納豆をリブランディングした大豆発酵食品「SOYFFEE」を展開している。特別栽培の北海道産とよまさり大豆に、ラオス産コーヒーを添加し、納豆菌で発酵させている。同社ショールーム(大磯町)、オンラインストアなどで購入できる。加えて、6月4日からは、こだわりのハチミツや、チョコと組み合わせた新製品も発売する。
 
このように、外食店での納豆メニューの採用、派生商品の投入が活発化している背景には、納豆メーカー各社が、積極的なメニュー提案を行ってきたことが実を結んでいる証拠だろう。全国納豆協同組合連合会でも、ホームページ上で定期的に「ヘルシー納豆メニュー」を紹介している。4月のおすすめメニューは「鶏モモ肉の納豆おろし和え」と和風だが、毎回、ジャンルに捉われないレシピを提案している。
 
納豆の露出は確実に高まっている。今後も好調路線が期待できそうだ。
 
 〈大豆油糧日報2020年6月3日付〉