新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛に伴う巣ごもり需要の拡大で、菓子作りのニーズも増加しており、関連商品カテゴリの伸長が目立っている。KSP-SPの5月POS販売実績をみると、プレミックスは金額73.8%増、数量63.3%増、マーガリン・ファストスプレッドは金額27.1%増、数量22.0%増、きな粉は金額5.4%増、数量4.5%増とそれぞれ伸長した。

最も伸び率が高いのは、ホットケーキミックスなどを含むプレミックスだ。昭和産業によると、ホットケーキミックスの売れ行きは3~6月で前年同期比50%増を超え、単月では100%増を超えた月もあったとしている。学校休校による手作り菓子の需要増などにより、7アイテム全てが好調で、ホームぺージの特設サイトに掲載しているレシピでは、特に「ふんわりドーナツ」へのアクセスが多いという。

7月に入っても需要の減退は見受けられないとしており、「巣ごもり需要で改めて内食が見直されたとの認識はあり、3月以降の爆発的な需要増加の反動はあるものの、コロナ前と比較し、内食率は上昇すると考える。その点をふまえ、本来、夏場に数量が振るわないホット―ケーキカテゴリだが、コロナ禍から従来以上の需要があると考え、夏場のメニュー提案などを実施し、需要減退、反動減させることなく、販売量を高止まりさせたい」と準備を進めている。

菓子作りに欠かせないマーガリンの販売も好調だ。マリンフードは、「菓子・パン作り需要の増加により、食塩不使用タイプのマーガリンの出荷が増加した」という。5月の出荷数では、「食塩不使用マーガリン450g」と「バターブレンド50EX無塩450g」が2ケタ増となり、PBの「バターブレンド50無塩450g」に至っては倍増した。

また、J-オイルミルズによると、4月のクックパッド内の「マーガリン」の検索頻度は前年比で約70%増と大幅伸長した。同社がクックパッドに掲載しているレシピでも、マーガリンを使用した菓子の表示回数は急増しており、中でも「ラーマバター好きのためのマーガリン」を用いた「バター好きの♪オレンジ薫るパウンドケーキ」は、3月11日~5月9日までの閲覧数が54%増となり、人気を集めている。

〈和スイーツ用のあん・きな粉も伸長、佐賀県産きな粉は生協やスーパーに新規採用〉
洋菓子用のみならず、和スイーツ用の商品カテゴリも好調だ。井村屋グループは、家庭内消費が増加したこともあり、ホームメイド商材として、あん商品が好調に推移した。4~6月は「つぶあんトッピング」が30%増、「500gつぶあん」は100%増と伸長した。また、氷みつなどのシロップに関しても、かき氷やヨーグルトに使う用途などで伸長したとしている。

同じく、きな粉の販売も増加した。川光物産(東京都中央区)によると、きな粉はヨーグルトにかける用途がTVで紹介されたことを機に、ここ数年、堅調に推移している。2016年はテレビ放映による効果で、きな粉メーカーは平均で3割ほど増えたといい、その後も何度かテレビで取り上げられ、2017~2019年もそれほど落ち込まずに推移してきたとしている。

その流れの中、巣ごもり需要によって、同社の4~5月のきな粉の実績は2割強と伸長した。ただし、巣ごもり需要によりスーパー全体で来店頻度や客数が増えたことを考慮すると、「多少良かったが、そこまでではない」(同社)と冷静に受け止めている。元々の数量が大きいこともあり、同じ和素材の白玉ほどの急激な伸びではなかったとしている。また、「6月に入ってから出荷は一息ついた」としている。

外出自粛などで生活が不規則になると、栄養バランスが崩れることも懸念される。小川産業(東京都江戸川区)によると「きな粉は栄養価が高く、需要が増えている」とする。また、コンビニ向けのきな粉飴を作っているメーカーへの出荷は3~4月で30%増となったという。

6月に入って伸びは落ち着いたようだが、同社のきな粉は付加価値の高い佐賀県産の大豆を使用しており、生協で新たに採用が決まったという。「佐賀県産の大豆は高たん白で甘さがあり、脂質が低くて酸化しづらいため、油臭くなりにくい」と特徴をアピールする。今年に入ってからは関東のリージョナルスーパーでも新規採用があった。9月には別の健康素材と組み合わせた新商品のきな粉も発売する予定だ。

〈大豆油糧日報2020年7月13日付〉