原田産業(大阪市中央区)は1923年に創立し、3年後には100周年を迎える。食品をはじめ、エレクトロニクス、医療など幅広く事業を展開しており、世界各国に海外拠点を持つ。

2月に発売したチキンタイプの大豆ミート「earthmeat」は、食品関連部門のフードマテリアルチームが販売している。同チームでは、製菓・製パンメーカー向けの離形油や乳業メーカー向けの安定剤などの原料、ビールタワーなどビール・飲料メーカー向けの機材を取り扱っており、新たに食文化を発信できるものとして大豆ミートに参入した。

食品の原料や離形油はドイツから、ビールタワーはイタリアから輸入しており、「欧州との付き合いは多く、年に何度か展示会に行く。3年~4年前から、欧州の市場でもベジタリアン、ヴィーガン向け商品が増えていた」と背景を説明する。ただ、大豆ミート商品は展示会で試食をしても、基本はおいしくなかったという。

その中でオランダの「earthmeat」のメーカーに出会った際、「初めておいしいと思った。日本でも無理なく食べてもらえる可能性を感じ、輸入販売に向けた動きを3年前からスタートした」と振り返る。日本国内で販売できる形を整え、2019年4月の展示会で初披露し、営業活動をスタートした。展示会には定期的に出展しており、営業活動を行っていく中で引き合いも増えてきたことから、今年2月に発売を開始した。

〈使えるメニューが幅広く、新しい食感・弾力感・食べ応えでおいしいと感じる〉
2019年までは、東京五輪も控え、インバウンド需要でホテルや飲食店から代替肉として大豆ミートの引き合いはあったが、新型コロナの影響でなくなった。だが、ヘルシーでサステナブルな食材として、最近では健康経営を掲げる企業の社員食堂や飲食店で大豆ミートの採用が増え始めているという。

「earthmeat」は湯戻しが不要なため、オペレーションの手間が減ったと好評としている。繊維感に特徴があり、指で簡単に割ける(写真)ので、小鉢に混ぜるなど、使えるメニューが幅広いことも評価されている。

また、通常ヘルシーな食材は食べ応えを出しにくいというが、「これまでにない歯ごたえのある新しい食感を活かし、ヘルシーなまま食べ応えのあるメニューにできる」ことを訴求する。

やはり重要となるのはおいしさだが、「従来の大豆ミートがおいしくないと言われていた要因は、スポンジなどのイメージを持つ人が多い。『earthmeat』は食感や弾力感、食べ応えがあり、おいしいと感じる」と強調する。チキンタイプの大豆ミートは市場でも珍しいが、「輸入元のメーカーではチキンが売れ筋で、試食でもおいしかった。ミンチ状やハンバーグ状のものもあるが、同じ大豆ミートの括りでもタイプが違い、住み分けができる」と説明する。

例えばカレーでも、キーマカレーだとミンチタイプが合うが、チキンカレーには「earthmeat」の方が適している。

別メニューを作らなくていい利点も強調する。ホテルで開催される宴会や国際会議では、ヴィーガンやベジタリアン用のメニューを用意する必要があった。「earthmeat」は、食に制限のない一般の人でもおいしく食べることができる。

また、幼稚園の採用事例では、肉アレルギーを持つ一人のために別メニューを作っていたところが、「earthmeat」を共通メニューとして提供している。児童も大豆とは気づかず、残すことがないので親御にも好評という。ほかにも、マクロビオティック弁当の中の一口カツに利用されているほか、ワンハンドで食べられるラップサンドイッチはテイクアウト需要に応えている。

今後はラインアップも広げていく考えだ。発売中の「earthmeat」は香辛料や香料を表面にまぶしており、しっかりした味付けとなっているが、味付けなしのタイプをそろえることや、加工食品メーカーが使いやすい、細かいタイプの商品の輸入も検討しているという。

「まずは知ってもらいたい。鶏、豚、牛に続く第4の肉、新しい選択肢の一つとして扱ってもらえる位置づけを目指す。他の大豆ミートを扱う会社とも協力しながら、自然使いできるように使ってもらえれば」と述べる。

〈大豆油糧日報2020年12月11日付〉