大豆ミートが精肉売場に登場した。イオンとセブン&アイホールディングス(HD)がほぼ同時期に大豆由来の代替肉ミンチのトレー発売を開始し、注目が集まっている。

スーパーではこれまで、ドライやチルド売場で乾燥大豆ミートや大豆ミート加工品の展開が主流だったが、2020年あたりから弁当や中食、総菜に大豆ミートを採用する動きも出ていた。今回の精肉エリアへの進出は、いわば畜肉と同等の扱いを意味しており、牛、豚、鶏に続く第4の肉としてのポジション形成へ大きな一歩となった。

セブン&アイHDはテスト販売を経て3月17日から、「イトーヨーカドー曳舟店」など首都圏5店舗で、マルコメの「大豆のお肉」の乾燥ミンチを精肉売場の隣にコーナーを設け、トレーで販売し始めた。マルコメの「大豆のお肉」をバックヤードで水戻ししたもので、「手軽に(大豆ミートに)なじみのなかった人にもチャレンジしてもらえる」(同社)と、消費者の手間を省ける簡便商品として提供する。

マルコメの「大豆のお肉」シリーズには、フィレやブロックタイプもあるが、「消費者のニーズがあるのかテスト販売の状況」としており、ラインアップの拡大は検討中とのことだ。

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また、イトーヨーカドーの関東圏の11店舗では3月29日から、代替肉ベンチャーのネクストミーツが開発した「NEXT カルビ1.1」と「NEXT ハラミ1.1」を、精肉売場で販売開始した。両商品は2020年、外食チェーンの焼き肉ライクとコラボして全店舗で販売して好評を博しており、ネクストミーツとしても、スーパーの精肉売場での販売は、「念願の目標だった」としている。

セブン&アイHDでは、両商品を精肉売場で販売開始する狙いについて、「環境配慮や健康志向の高まりを踏まえ、また持続可能な食材の調達を行っていくうえで、代替肉を使用した商品の販売を検討していくためのテストを行っている。これまで取り扱いのなかった『焼肉用の代替肉商品』を品ぞろえすることで、お客様のニーズを確認している。新たな層を獲得できることを期待している」としている。

牛肉と競合する形となるが、「取り扱いによって新たなニーズを掘り起こせるため、プラスと捉えている」と説明。今後の精肉売場での代替肉のラインアップ拡大については、「大豆ミートを含む代替肉の市場は今後ますます拡大していくと考えている。当社でもさまざまな商品の販売をテスト・検証しながら、検討していく」としている。ネクストミーツは鶏肉の代替肉「NEXTチキン1.0」も販売開始しているが、精肉売場での展開についても検討中としている。

〈ライフも「ミラクルミート」使用商品の販売開始、他スーパーへ波及の可能性も〉
イオンは4月17日、トップバリュ「Vegetiveシリーズ」の新商品で、大豆をミンチ状に加工した生のミンチタイプの「大豆からつくったミンチ」「大豆からつくったハンバーグ」「大豆からつくったハンバーグ(豆乳クリーム入り)」3品の精肉売場での展開を、関東エリアの「イオン」「イオンスタイル」「まいばすけっと」など49店舗で開始した。代替肉ベンチャーDAIZ(熊本市)の発芽大豆を加工した「ミラクルミート」を一部使用した商品だ。

「ミラクルミート」は、フレッシュネスバーガーのパティやニチレイフーズの冷凍食品など採用実績も豊富で、味の評価も高い。イオンも「発芽大豆は粉末の大豆よりも原料そのものにアミノ酸などのうま味成分がある。原料そのものから出てくる自然な風味になる」と評価する。

イオンは畜肉の代わりに大豆を使用したレトルトの代替肉ハンバーグを2020年3月から販売している。同年10月から「Vegetiveシリーズ」に統一し、代替肉ハンバーグはチルド2品、冷凍1品を展開しているが、計画比30%増で推移しているという。ドライ売場で大豆ミート関連商品を集めたコーナー展開が、「Vegetive」の認知向上につながったことも寄与したとする。

また、流通大手2社に続いて、ライフコーポレーションも4月7日から、首都圏の「ライフ」店舗の精肉コーナーで、同じく「ミラクルミート」を採用した春巻きなど大豆ミート使用のチルド商品3品の展開を開始した。今後、精肉売場での代替肉の展開は、リージョナルスーパーや地域スーパーにも波及していく可能性は高い。

〈大豆油糧日報2021年4月7日付〉